先日紹介した

「すばらしいボスニア!」――ギリシャ戦後のオシムさんのコメント
http://info.osimnodengon.com/?eid=564

という記事に関連して、オシムさんが「ボスニア代表チームは今のところ、クロアチアやセルビアより強い。ジェコはマンジュキッチよりはるかに上のクラスの選手」と語ったことに対して、クロアチアの日刊紙が反論記事を掲載しました。

クロアチアでもっとも発行部数が多いといわれる「ユータルニ・リスト(朝のページ)」で、「クロアチアは最強であるだけでなく、最高額だ」「クロアチアがベストであることは疑いなく、ボスニアはこれから実力を証明しなければならない」などと書いています。

http://www.jutarnji.hr/hrvatska-je-najbolja-u-regiji--bih-se-tek-treba-dokazati/1094462/

「ユータルニ・リスト」は、ボスニア代表の中で4〜5人はクロアチア代表に移ってもベンチ入りできるかもしれないが、先発はレフトバックのルーリッチ(ラツィオ)とFWのジェコ(マンC)の2人だけだと断言。

ミッドフィールダーでも「モドリッチ(レアル・マドリード)とピアニッチ(ローマ)を比較するのは滑稽なほどだ」、そのほかのポジションについても一人ひとり名前をあげて比較しました。

オシムさんが名前をあげて比較したFWのマンジュキッチ(バイエルン・ミュンヘン)については、ブンデスリーガの新王者のFWのファーストチョイスであり、一方、ボスニアのジェコはマンCの「多くのFWのうちの一人に過ぎない」としています。

両国の先発11人に「ユータルニ・リスト」紙がつけた採点は次の通り

BOSNA I HERCEGOVINA(ボスニア・ヘルツェゴビナ)
SASTAV: Begović (7), Mujdža (6), Spahić (7,5), Vranješ (6,5),
Zahirović (6), Lulić (7,5), Pjanić (8), Misimović (7), Salihović (7),
Ibišević (7,5), Džeko (9).
(合計79ポイント)
UKUPNA VRIJEDNOST: 81,05 milijuna eura
(市場価値の合計:8105万ユーロ=約97億円)
NAJSKUPLJI IGRAČ: Edin Džeko (27 milijuna eura)
(もっとも高額な選手:エディン・ジェコ=2700万ユーロ=約32億円)

HRVATSKA(クロアチア)
SASTAV: Pletikosa (7), Srna (7,5), Ćorluka (8), Šimunić (7), Strinić (6),
Rakitić (7), Kovačić (7), Modrić (9), Perišić (7), Olić (7,5), Mandžukić (9)
(合計82ポイント)
UKUPNA VRIJEDNOST: 114 milijuna eura
(市場価値の合計:1億1400万ユーロ=約137億円)
NAJSKUPLJI IGRAČ: Luka Modrić (35 milijuna eura)
(もっとも高額な選手:ルカ・モドリッチ=3500万ユーロ=42億円)

こういう記事でもしっかりと筆者(レシチキ記者)が名前を明記している署名記事であるところは、日本などと違ってえらい。しかし、プレースタイルや技術・能力について語らず、所属チームの格や収入の合計などで比較するところは、スポーツ記者という職業、国が変われど、判断基準には大差ないのか微妙な気分。

ちなみに、最新のFIFAランキングでは、クロアチアは9位、ボスニア・ヘルツェゴビナは23位。このところヨーロッパ組が増えた日本(ランキングは26位)ですが、この方法でクロアチア、ボスニアと比較すると、合計で何ポイント、何億ユーロになるのかしら……。

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クロアチア紙が異論を唱えたオシムさんのインタビューは、要約次の通り。

ボスニア誌「スロボドナ・ボスナ(自由なボスニア)」
イヴィツァ・オシムが語る「ダー(イエス)! われわれが1番」

イビツァ・オシムは旧ユーゴスラビアのサッカー監督の中でももっとも偉大な1人だが、彼の意見・考えは非常に高く評価されている。

「われわれは、この地域で最強の代表だと思う。最強といえないならば、もっとも良いサッカーをしているのは間違いない」とオシムはスロボドナ・ボスナに語った。

スーシッチ監督がひきいるボスニア・ヘルツェゴビナ代表は史上初めてのワールドカップ出場に向け、予選で輝いている。

「ジェコはワールド・クラスだ。クロアチアのエースはマリオ・マンジュキッチだが、ビッグクラブに所属する素晴らしい選手ではあっても、ジェコにはおよばない。エディン(ジェコ)は上のクラスだ」と伝説の監督は続けた。

さらにオシムは、自分の教え子であり、現在は親友であるスーシッチ代表監督についてものべた。

「サフェトはひょっとしたら、慎重すぎるかも。最悪の場合を想定してそこから戦術を組み立てている。まだ道のりは長いが、楽観している。ブラジルへの道はもうすぐ先のところに開けている」