試合 :キリンチャレンジカップ2013
開催日:2013年2月6日
結果 :日本代表勝利
スコア:「3−0」
得点者:岡崎慎司 本田圭佑 岡崎慎司


○ 日本代表選手評価(10点満点)

FW:岡崎慎司
MF:香川真司 本田圭佑 清武弘嗣
MF:細貝萌 長谷部誠
DF:長友佑都 今野泰幸 吉田麻也 内田篤人
GK:川島永嗣


岡崎慎司:7点

日本代表では得点を取れるのにシュツットガルトでは得点を取れない岡崎。例えば1点目のシーンのように、岡崎がゴール前に入っていてもそこに合わせようとしてくれないとか、例えば2点目のシーンのように、岡崎のDFラインの裏への動きに対して香川のようなクオリティのあるパスを出せる選手がいないとか、やはりそこだと思います。シュツットガルトの監督には、そのあたりをよく見てもらいたいですね。

そして、1トップに関しては、ポストプレーを求めるならば、もちろん岡崎よりも前田の方に高いパフォーマンスはあると思いますが、対強豪仕様、日本が守備的に戦わなければならなくなった場合には、前田のようなタイプよりも岡崎のようなタイプのCFの方が威力を発揮するのではないかと思っていて、ロンドン五輪の永井のような感じですね。従ってそこは、どちらか、ではなく、やはり、使い分ける、という事が必要になってくると思います。

しかしそのためには、どこかのタイミングでは、堅守カウンターへときちんと切り替えておかないと、選手たちにそういうスタイルを浸透させる時間も必要ですし、そういう戦い方での手応えという事を感じておく必要もあると思いますし、おそらくそのタイミングが6月のコンフェデレーションズカップになるのかなと思いますね。もちろん、そこでポゼッションサッカーで結果が出せたならば、そのままその路線で進んでも良いとは思います。


本田圭佑:5点

少し身体が重たそうでしたね。それから、シュートのタイミングが右足の方に来る事が多くて、やはり本田は左利きなので、右からのパスの方が合わせやすいのかな、という感じだったのですが、香川の左からのパスに合わせたシュートは見事でした。但し、そういう意味でも、もう少し香川と本田はポジションチェンジした方が良いのかな、という事はあって、特にこの試合では本田の動きの幅が少なかったので、コンディションが上がって来たら、それと同時に動きの幅も大きくなる事に期待したいですね。


香川真司:7点

サウザンプトン戦からコンディションが良好で、その次の試合であったフラム戦では完全休養し、久々に代表でのコンディションの良い香川のプレーを見た気がします。岡崎の2点目となる得点へのパスは、サウザンプトン戦でのルーニーへのパスによく似ていました。やはり、イメージ、というのは重要なんだなと思います。そして、本田へのアシストとなったプレーは、本田のシュートの上手さもありましたが、ドリブルで相手を引き寄せてパス、それができているかどうかが香川のバロメーターになるかなと思います。

動きの幅の大きさであったり、得点やアシストという結果であったり、守備への献身性であったり、競り合った時の強さであったり、他にも香川の調子を計るバロメーターはありますが、ドリブルで相手を引き寄せてパス、それができている事が、香川という選手には一番重要な事かなと思います。日本代表でもマンチェスター・ユナイテッドでも、香川が点取り屋になる必要性は低く、もちろん、メッシやC・ロナウドのように多くの得点を取れれば良いに決まっていますが、やはりどちらかと言えば香川はイニエスタのようなタイプだと思うので、得点にそこまで強く固執する必要は無いかなと思いますね。


清武弘嗣:5点

右サイドでは、岡崎には岡崎の良さ、清武には清武の良さ、という事があると思いますが、清武の場合には、SBのオーバーラップを活かすプレー、本田などとポジションチェンジしてのバイタルエリアへ入って行くプレー、それから、細かいパスワークの中から右サイドでDFラインの裏へ抜け出すプレー、という事が良さだと思いますが、ニュルンベルクでもそうであるように、そういうプレーをする時に、もう少しそこで強く存在感をアピールする、という事が必要とされているかなと思います。日本代表ではライバルが多くいますから、ニュルベルクでよりも厳しいと言えるかもしれませんからね。


細貝萌:5点

左サイドでの守備力を考えた場合には、遠藤よりも細貝の方が良いと思いますが、どうしても遠藤がいないと質のある縦パスなどが無くなってしまうので、そういうパスを長谷部もしくは細貝が出せるようになれば、というところですね。長谷部や細貝にも、その素質はあると思いますので、特に細貝には守備だけではなく、そういう縦パスの練習なども意識的にやっておいて欲しいなと思います。遠藤レベルの高いクオリティとまではいかなくても、似たような質の縦パスなどを出せるようになれば、かなり違ってくると思います。

それから、守備に関しては、とても良いタイミングでアタックに行けているのですが、そこで相手を止め切れない、押し戻せない、という事が多くて、そのせっかくの抜群のタイミングでのアタックの効果が半減してしまっているので、それだと日本代表や強豪クラブでのボランチでの出場は厳しいのかなと思います。そういう部分もあって、個人的にも細貝はボランチよりもSB向きかなと感じているのですが、もしボランチにこだわるのであれば、もう少し守備対応に重さが必要かなと思いますね。


長谷部誠:5点

守備面においては、SBのカバーリングなどで良さを見せていましたが、やはりヴォルフスブルクでもそうであるように、もう少し攻撃面での良いパフォーマンスが欲しいですね。コンディションの問題なのかなと思いますが、ヴォルフスブルクでスタメンに復帰した時のような攻撃への積極性が最近は少ないかなと思います。バランサーなので、そこはガンガン攻撃に行って良いわけではありませんが、特に前半までは細貝と組んでいましたので、その場合にはもっともっと積極的に攻撃参加しても良いかなと思います。


長友佑都:5点

ラトビアがリトリート気味に守備ブロックを作っていましたので、長友がロングランニングで入り込むスペースというのが無く、そのためにあまり持ち味は出せなかったかなと思います。しかし、それでも、狭いスペースでドリブルで仕掛けてクロスを岡崎に合わせたプレーなどは秀逸でした。コンディションやパフォーマンスは普通だったと思います。但し、少し上がるタイミングが早いのかな、という感じはして、もう少し「ため」を作ってから走り出し、トップスピードのところでパスを受けられるようにした方が良いかなとは感じました。インテルでのプレーの影響なのかなと思います。


内田篤人:5点

シャルケでのパフォーマンスを見ていてもそう感じるのですが、最近の内田はなかなか良好なコンディションが長続きせず、この試合では1つアシストという結果は出しましたが、一時期の好調さと比べるともう少しな感じが否めないですね。アウグスブルク戦では良いパフォーマンスでしたが、その次のグロイター・フルト戦では内田の軽い守備対応から失点を招いてしまうなど、試合によってパフォーマンスに差が小さくないのも気になります。怪我も続いていますし、そのあたりのコンディション管理が課題なのかなと思いますね。


今野泰幸:5点

遠藤もそうですが、今野の問題はこれからかなと思います。J2で戦うシーズンとなるので、J1とはスケジュールも異なりますし、対戦相手の強度なども異なってくると思いますので、その中で今まで通りの感覚を保っていられるのかどうか、そこがやはり心配なところです。ザックが細貝と伊野波を遠藤と今野の代わりにスタメンや途中から使った理由には、やはりそこに対する備え、みたいな事も少しはあったと思うので、日本代表での練習や試合で好調さをアピールし続けられるのか、そこが重要になってくるかなと思います。


吉田麻也:5点

闘莉王のように、前線まで上がって行くような攻撃参加はあれですが、もう少しロングフィードを狙っても良いのかなと思います。ボランチやSBを経由しなくても、一発の縦パスでFWや2列目にパスを通す。ドルトムントのスボティッチやフメルスが香川にビシッと縦パスを入れていたのが印象に強いですが、そういうのをもっと狙っても良いと思います。それが、長短、緩急、そのアクセントにもなりますし、ボランチやSBが封じられた時には必要になってくるので、特のこの試合のような守備であまり仕事が無かったような試合では、そういうプレーを試してみても良かったかなと思います。


川島永嗣:5点

日本代表の攻撃の練習試合のようになってしまったので、GK川島としてはほとんど出番が訪れなかった試合でしたが、まあそこは仕方ないかなと思います。ラトビア相手にホームで押し込まれるような試合になったら、それはそれで困りますからね。ヨルダン戦でも、できればGK川島の出番が無いような試合になって欲しいと思います。しかし、コンフェデレーションズカップでは、たぶん忙しくなると思いますので、ブラジルとの再戦もありますし、コンフェデレーションズカップでは高いパフォーマンスを見せて欲しいと思います。