中国大使「証拠出せないなら黙れ」…スパイ疑惑に激怒=カナダ
中国の章均賽駐カナダ大使(写真)は現地時間17日、メディアの取材に応じ、中国企業のスパイ疑惑に対して「証拠を出せないなら口を閉ざせ」と述べた。中国海洋石油がカナダの石油・天然ガス会社であるネクセン買収の動きを進めていることについては「われわれは、カナダの資源を略奪しに来ているのではない」などと述べた。中国新聞社などが報じた。(写真は「CNSPHOTO」提供。2012年3月撮影)
米下院情報委員会は10月、中国企業について「安全リスクがある。中国政府の国外におけるスパイ活動に協力しているだろう」との内容を含むリポートを発表した。
同委のマイケル・ロジャース議員(共和党)はカナダのメディアに対して「われわれの隣人も、同様のリスクに直面している」と述べた。中国メディアは同発言について「カナダに対して、米国に追随して中国企業を封殺するよう呼びかけた」と評した。
カナダ放送協会(CBC)によると、章大使は「国外で活動する中国企業はすべて現地の法律を厳格に守り、正当なビジネス活動をしている法律順守の企業であり、いかなるスパイ活動にも関与しておらず、いかなる国家に対しても脅威になるものではないと、われわれは保証する」と述べた。
「中国企業は中国政府のスパイだ」との説に対しては、「まったく根拠がない」と反発し、「中国企業がスパイ行為をしていると言う者は、証拠を出すか、口を閉じるかどちらかにせよ」と述べた。中国メディアは章大使の発言を「怒りの叱責(しっせき)」と表現した。
カナダでは、中国国有企業の中国海洋石油がネクセン社買収の動きを進めていることに反発が出ていることについては、「中国人がカナダに来るのは、資源略奪のためではない。共同開発に参画するためだ」と述べた。(編集担当:如月隼人)