レイズをクビになるも、メジャー球団からのオファーは届かず。所属球団のない「浪人生活」を送る松井秀喜(38)の前に、拾う神が現れた。子供の頃にファンだったという阪神である。さぁどうする、ゴジラ!?

 振り向けばDeNA。貧打にあえぎ、若手は育たず、5位に低迷する今季の阪神タイガース。かつての暗黒時代の再来が頭をよぎるファンも少なくなかろう。借金まみれのチーム成績は必然的に甲子園の集客にも打撃を与え、和田豊監督(49)が「新たに打てる人材が欲しい。4番を打てるスター選手が‥‥」と嘆くのも無理はないのだ。

「右肩の腱が切れている金本知憲(44)は、守備も打撃も限界に来ており、拙守をたしなめた関川浩一外野守備走塁コーチ(43)に食ってかかって二軍落ちしたマートン(30)も、今季限りでの退団が濃厚。鳥谷敬(31)、平野恵一(33)、藤川球児(32)はFA流出の可能性がある。4番を打っているのは、何の実績もない新井良太(29)という惨状です。そこで、坂井信也オーナー(64)と南信男球団社長(57)が暗黒時代突入阻止への切り札にと、『松井を獲れ!』とフロントに大号令をかけたんです」(阪神担当記者)

 阪神はかねてから、駐米スカウト(元阪神アンディ・シーツ)が松井の試合を観戦し、スカウティングレポートを送っていた。

 そうした調査結果の下、松井獲りを加速させたのが、9月中にも就任が濃厚とされる元阪神監督・中村勝広氏(63)のGM起用の動きだった。スポーツ紙デスクが言う。

「“中村GM”はすでに球団幹部に『松井が欲しい』と伝えているそうです。将来の指導者手形を切ることも念頭に置き、『そのくらいやらないと首を縦に振ってくれない』と本気モード。阪神監督時代に全盛期の松井を目の当たりにしており、その強烈な印象が今も残っていますしね。今の松井は値段が相当安くなっていることも魅力的で、うまくいけば年俸2億〜3億円+インセンティブで獲れる、と踏んでいる。すっかり膝の故障が回復した松井は、守備にも就きたい。守れる環境に加え、甲子園は膝に負担の少ない天然芝。条件はそろっています」

 8月7日、南社長と和田監督が遠征先の東京で、昼食をとりながらの緊急会談を行った。折しも、引き分けを挟んで6連敗中。球団関係者が明かす。

「その席で和田監督は『血の入れ替えをしたい』と訴えた。南社長も“中村GM”が松井を狙っていることを伝え、今後の方針を話し合ったそうです」

 今オフに正式オファーを出せば、あとは松井の決断しだい。はたして名うてのスラッガーは、名門球団の救世主となってくれるのか。ちなみに、フロントが描く松井の「期待戦力」は、

「打率2割8分、本塁打20本打ってくれれば十分。今のクリーンアップに比べたら、とてもいい数字だから」

 だそうである。