今年は、なのか、今年も、なのか、注目のルーキーや若手投手が日曜日に登板する姿を多く目にするような気がしている。裏を返せば、注目に値するルーキーが多いシーズンということかもしれないのだが……。

大豊作と言われた今年の“即戦力”ルーキーたち。ファイターズの斎藤佑樹、カープの福井、さらに若手という括りで言えば頭角を現した吐いたバファローズ西も、日曜日に飛ばしていたメンバーだろう。とはいえ、斎藤はすでにローテーションから外れてしまってはいるのだが……。

多くの野球ファンが球場に足を運びやすいのは、やはり週末。興行的な見方をすれば、日曜こそ、チームのエースが投げてもよさそうなものだが、どうやら事情は単純ではないようだ。セ・リーグ首位を走るスワローズの場合、エース館山は火曜か水曜、石川が土曜で、日曜は増渕かルーキーの久古。パ・リーグ首位のファイターズではダルビッシュが水曜、武田勝が土曜、日曜は外国人投手枠という印象だ。

そんな中、若手の“日曜当番”を守る男がいる。ジャイアンツの澤村だ。7月4日時点で10試合登板して4勝6敗と数字だけ見ればよくはないが、ローテーションを守るという意味では大健闘といえる。そして、交流戦以降、6月12日、19日、26日そして7月3日の4つの日曜日に登板して2勝2敗という成績を残している。

かつてジャイアンツでは、上原浩冶(現・オリオールズ)がルーキーイヤーに「サンデー上原」と呼ばれていたことがある。メディアが付けたか、ファンが呼び出したか定かではないが、とにかくルーキーイヤーは日曜ばかりに登板していた。そして、澤村と大きく違う点は、おもに日曜日に登板して15試合「勝ち続けた」ことだろう。

多くのファンに見守られながら、投げなければならない宿命にある「日曜当番」。たくさんのお客さんが詰め掛ける日曜日だからこそ、人気と結果をダイレクトに感じられる「Mr.サンデー」となりうるのだろう。

【TEXT=劇!!空間プロ野球 / 青柳潤】


■筆者紹介
青柳 潤(あおやぎ・じゅん)
元雑誌記者、編集者。野球観戦をライフワークと位置づけるほどの“ボールジャンキー”。オールスター第2戦(QVCマリン)のチケット抽選に当選したことがうれしくてたまらない今日このごろ。野球検定5級も先日取得。