印税ゼロで出版されたことでも話題となっている、岡田斗司夫氏の新刊『評価経済社会』(ダイヤモンド社)。ツイッターをはじめソーシャルメディアとも相性がいいという「評価経済社会」とは、いったいどんな社会なのか。そして、そんな世界の変わり目に生きる私たちは、どうふるまっていけばいいのか。また、未曽有の大震災をへて、日本はどこへ向かうのか。ゲストに堀江貴文氏、ファシリテーターに慶應義塾大学の中村伊知哉教授を迎えて、徹底的に語ってもらった。

――さて、FREEexは、アナログの時代にもすでにあったという話でしたが、これからコンテンツはどんどんフリーになっていくんですか?

堀江 フリー&マッシュアップですね。最近、いっしょにロケットをつくっているメディア・アーティストの八谷和彦さんが、「おなかがいたくなった原発くん」というのを書き始めたんです。そしたら、それがいつの間にか絵本になって、フラッシュアニメで動いてた。誰かがどんどん勝手につくっていくんですよ。

岡田 勝手につくってもいいよっていって、そのあともお金をとらない。でもちゃんと八谷さんの名前は残って評価が上がっていく。それがある限り、八谷さんは食うのに困らないし、それ以上のものを得ているんです。お金を得ようとして、著作権を主張したりすればするほど、限られた人しか参加できなくて集合知が集まらなくなっちゃう。

堀江 震災のときに感じたことがもうひとつあって、僕はフォロワーが多いので、いろんな安否情報とか有用な情報をリツイートしていたんです。放射能漏れがあったとき、最初は自治体が発表する数値は文字でUPされていたんですが、「これ、グラフにしてくんないかな」って言ったら、それがすぐグラフになる。アクセスが集中して見られなくなったら、有志がどんどんクラウド化していってくれる。

岡田 ほしいっていったらいつの間にかできてる、「クラウドドラえもん」ですね。

堀江 ほんとそんな感じ。僕が見たいものが、すぐにできてくる、これってまさに評価社会なのかなって。もうでかい会社はいらないなって思いましたね。

岡田 お金払って雇っている社員よりいい。

堀江 お金払って雇っている社員よりずっといい。ほんといい。

――同じこと言ってますね(笑)。堀江さんは震災で、拡散希望ツイートをしてメディアとしての役割を果たしました。他にも、ジャスト・ギビングで募金を集めていましたよね?

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