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JR西日本は8日、和歌山線・桜井線に導入する新型車両227系1000番台の報道公開を行った。2019年春のデビューを予定しており、計56両(2両編成×28編成)を導入して現行の105系・117系を置き換え、2020年春に全車両の置換えを完了する予定となっている。

和歌山線・桜井線の新型車両227系1000番台は、広島地区で活躍している227系から一部仕様を変更。近畿エリアへの227系の導入は初となる。外観はこれまでJR西日本が導入してきた電車(227系、225系2次車、323系など)のデザインを継承しつつ、扉の両側壁部分や窓下の帯、先頭車間転落防止ホロをはじめ緑色を基調としており、新型車両が走る和歌山線・桜井線沿線に共通する文化・歴史・自然の奥深さを表現したという。

車内はドア間10人(3人+4人+3人)掛け、車端部4人掛けのオールロングシート。1人あたりの座席幅は470mm(車端部のみ440mm)とし、Sバネ構造でクッション性を向上させている。吊り手はオレンジ色調でとっさのときにつかまりやすい形状のものを採用。ドア上部に行先案内などを行う情報表示装置を設置し、日英2カ国語対応の自動案内放送を行う。1号車の連結部付近に多機能トイレと車いすスペースを設けた。

和歌山線・桜井線では、全車両の置換えが完了した後の2020年春頃に車載型IC改札機の使用を開始し、これにより奈良県下全域および和歌山線全線が「ICOCA」エリアに。227系1000番台ではサービス開始に備え、ドア付近に乗車用、先頭部の乗務員室付近に降車用の車載型IC改札機を設置している。また、和歌山線橋本〜和歌山間では2023年春から無線式ATCを一部列車に導入し、2024年春までに全列車への導入を完了する予定。同区間を走る227系1000番台に無線式ATCの車上装置が搭載されることになっている。

その他、車両異常挙動検知装置や戸挟み検知装置、EB-N装置(運転士異常時列車停止装置)なども搭載。車内灯および車外の種別・行先表示器にLEDを採用し、自動温度調節による空調の最適化も図った。車両間の貫通扉にアシストレバーも採用。和歌山線・桜井線に加え、紀勢本線(きのくに線)でも一部運用予定であることから、沿線で津波の発生が予想される場合に備え、避難用はしごも装備されるとのことだった。

報道公開ではクモハ226-1001(1号車)・クモハ227-1001(2号車)の編成を使用し、構内走行に続いて車両外観、車内内装、運転台などを公開。フルカラーLEDの種別・行先表示器を活用し、和歌山線・桜井線・紀勢本線の観光スポットにちなんだパンダやシカ、奈良県王寺町のゆるキャラ「雪丸」をデザインした特別なLED種別表示幕も披露された。