女性判事、重病を患っている容疑者の訴えを無視して死なせる(画像は『WorldWideWeirdNews.com 2018年4月23日付「Judge resigns after berating wheelchair-bound woman who died after court appearance」』のスクリーンショット)

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裁判所の法廷に現れる者は全員健康であるとは限らない。判事もひとつ病名を聞き得たなら、それが軽いものか重いものかを自己判断せず確認することが必要ではないだろうか。このほど米フロリダ州で、軽微な親子喧嘩により逮捕された50代の母親が裁判所の出廷時に重い病状を呈し、受診の必要性を訴えた。しかし判事は「甘えるな」として退廷を許可せず…。

判事の誤った判断により、容疑者と呼ぶのも気の毒な重病の女性を死なせてしまったのはフロリダ州ブロワード郡の巡回裁判所で、亡くなったのはサンドラ・フェイ・トウィッグスさんという59歳の女性。今月15日、自宅での喧嘩で19歳の娘に引っかき傷を負わせたとして通報され逮捕されていたが、重い喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患っており、17日には車椅子での出廷となった。

そんなトウィッグスさんを待ち受けていたのはメリリー・エーリックさんという66歳の女性判事であった。エーリック判事はトウィッグスさんに対していくつか質問をしたが、答えは1語ずつ途切れ途切れで聞き取りにくく、判事は苛立ちをあらわに。ある時トウィッグスさんは息苦しいため医師の診察を受けたいと申し出たが、判事は叫ぶかのように「あなたの呼吸器医療について議論するために私はここにいるわけではないのですよ」と告げ、その要求をバッサリと却下した。

トウィッグスさんを苦しめていた呼吸および発声の困難。喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)も重くなればそうした症状が出てくるもの。過去に犯罪歴などもなく家庭内暴力事件としてはとても軽微なものであったことから、トウィッグスさんは釈放が決まり留置場から自宅に戻れたが、その翌日にベッドでひとり息を引き取った。身柄を拘束されていた間も薬を飲むことがままならない状況であったという。

この件についてトウィッグスさんの弁護を担当していたハワード・フィンケルスタイン氏は、エーリック判事は裁判官として不適格であると訴えて罷免を要求。判事は20日、自らの意思で辞任を決定したという。

画像は『WorldWideWeirdNews.com 2018年4月23日付「Judge resigns after berating wheelchair-bound woman who died after court appearance」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)