ハンターに銃殺されてしまった女性、夫は悲しみを吐露(画像は『Jamie Billquist 2017年11月23日付Facebook』のスクリーンショット)

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自宅近くの草原で犬を散歩させていた女性が、ハンターに鹿と間違えられて撃たれ死亡するという悲劇が米ニューヨーク州シャトークア郡で起こった。米メディア『The Buffalo News』『Inside Edition』『Washington Post』などが伝えている。

11月22日の午後5時24分頃、ニューヨーク州シャトークア郡シャーマンに住むローズマリー=A・ビルキストさん(43歳)はラブラドール犬2匹を連れて自宅近くの草原へ散歩に出かけていたところ、ハンターに撃たれた。

トーマス=B・ジャドロースキ(34歳)は200ヤード(約182メートル)離れた先に鹿の姿を見たと勘違いし、単発拳銃を一発放った。しかし弾が命中したのは、鹿ではなくローズマリーさんだった。

叫び声を聞いたトーマスはすぐに声のする方向へ走り寄り、傷ついたローズマリーさんを見て911通報した。そして救急隊が到着するまで、ローズマリーさんの傷口を加圧し救助を試みた。この時、ローズマリーさんの夫ジェイミーさん(47歳)は自宅でテレビを見ていたが、ローズマリーさんが連れて出たはずの犬2匹が大きく吠えていたため、異変に気付いた。「妻に何かあったのでは」と慌ててローズマリーさんの携帯に電話をしたが繋がらず、そうしている間に救急車のサイレンが聞こえ、救急救命士から「誰かが撃たれた」と告げられてジェイミーさんも急いで草原に向かうと、倒れている妻を発見した。

救急隊員らはローズマリーさんをペンシルベニア州エリエにあるUPMCハモット病院へ搬送したが、弾丸が腰から背中に貫通しており、病院で死亡が確認された。

今回の件を知ったニューヨーク州環境保全局(DEC)ハンター教育プログラム部門の銃器指導教官であるデール・ダンケルバーガーさんが「獲物が何であるのかきちんと判別しないとこのような悲劇を招くことになります。狩りをスポーツとして楽しむハンターたちは、このエリアには他にも人がいるということを理解していなければなりません。それに日没後のハンティングは違法とされています」と話しているように、事件が起こった当日の日没時間は午後4時46分で、トーマスはそれを40分も超えた午後5時24分にローズマリーさんを撃ったことが明らかになっている。

現在の段階で起訴はされていないが、同郡警察の事情聴取に素直に応じているトーマスは、使用した単発拳銃に関して「DECの規約では、鹿を撃つために拳銃を使用することは許されている」と供述している。またこの日、ローズマリーさんが自宅からどれほどの距離にいたのか、目立つ服装をしていたのかなどという点も調べを進めている。DECと地元検察局の協力のもと更なる捜査によって、刑事事件として適用させるか否かが決定されるという。

ジェイミーさんは「あの日、トーマスはハンティングの許可のない私たちの隣人の敷地内にいて妻を撃ったのです」と主張し、「私自身はハンターではないですが、すでに日没となっていて暗い中、200ヤードも離れた所にいるのが鹿だと思ったとなぜ言えるのでしょう。それに推測だけでなぜ撃ったりするのでしょうか」と疑問を口にしている。

27年間ともに人生を歩んできた愛妻の突然の事故。クリスマスの後に1月には2人の誕生日を控えており、これからも一緒に時を重ねる予定だった。そんなジェイミーさんの悲しみは計り知れない。23日、彼は自身のFacebookに「きっと君は今頃、君のお母さんや先に旅立ってしまった僕たちの家族や友人らと天国でダンスをしているんだろうね。君がいなくなって本当に寂しい。いつまでも愛しているよ」と亡き妻への想いを綴った。

ジェイミーさんによると、ローズマリーさんは常に人助けに励む天使のような人物だったという。ローズマリーさんの突然の訃報に近隣住民らも悲しみ、警察も「まったくもって不幸な事故です」と述べている。このニュースを知った人からは「なんてお気の毒なの」「だからハンティングシーズンは、私は絶対に森や草原へは入らない。銃を持った奴らで溢れているからね」「普通、人間を鹿と間違えるだろうか」「日没後にハンティングが違法だと知っててやったなら、この男を起訴して刑務所に入れるべき」「この事件には、なんだか他にもまだ隠れた部分がありそうな気がする」「暗くなってハンティングエリアを散歩していた女性も、やっぱり不注意なのでは…」「ハンターは犬を鹿と間違えて撃ったけど、女性に当たってしまったのかも。それにしても不幸過ぎる事故だ」といった声があがっている。

画像は『Jamie Billquist 2017年11月23日付Facebook』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)