JR貨物が創立30周年を記念し、タカラトミーとコラボ。「貨物鉄道に特化したプラレール」のジオラマを制作しました。機関車や貨車など85両が登場するほか、「E&S方式」の貨物駅も再現されています。

車両合計85両 「貨物鉄道の現場に即した内容」

 JR貨物は2017年2月15日(水)、タカラトミーとのコラボで制作したオリジナルの「プラレール」ジオラマを、東京都新宿区の本社に設置しました。

「プラレール」で再現された貨物機関車の車両基地(2017年2月15日、中島洋平撮影)。

 JRグループが今年4月に発足30周年を迎えるにあたり、JR貨物本社を訪問する人へ貨物鉄道の世界を紹介するため、設置したものです。JR貨物広報室の東城暢毅さんは、「普段の生活ではなじみの薄い貨物鉄道に親近感を持ってもらうため」と、その目的を話します。

レイアウトの全景。その外周を、10両編成の貨物列車2本が走る(2017年2月15日、中島洋平撮影)。

 ジオラマは鉄道玩具「プラレール」のメーカーであるタカラトミーが制作し、JR貨物が「貨物鉄道の現場に即した内容」になるよう監修しました。幅2.4mのジオラマには、機関車19両、貨車61両、貨物電車5両の計85両を配置。JR化後に登場したほとんどの機関車が網羅されているほか、複数の線路が交差する操車場、貨物駅の構内などが再現されています。

「プラレール」で「E&S方式」? 世界でここだけのジオラマ

 タカラトミー プラレール企画部の檜垣真一郎さんは、「ホームに到着した貨物列車からコンテナを下ろしたのち、すぐに列車を発車させられる『E&S(Effective & Speedy)方式』の貨物駅など、初めて制作したものも少なくありません。世界でここだけのジオラマができたと思います」と話します。

中央が「E&S方式」の貨物ホームで、貨物電車からフォークリフトでコンテナを下ろしている。この方式は機関車の入れ換えが不要で荷役時間の短縮が可能(2017年2月15日、中島洋平撮影)。

 ちなみに、貨物車両は「プラレール」のなかでも多い売り上げがあるそうです。タカラトミーの檜垣さんは「JRや私鉄も含め、鉄道車両には地域性がありますが、貨物車両の場合は全国で見られることが大きいと思います。青や赤など原色を使用した機関車の色や、『桃太郎』『金太郎』といったわかりやすい愛称を持っていることも人気の要因」と分析しています。

 なおJR貨物によると、企画しているJR30周年イベントなどで今後、このジオラマの一般公開も検討しているそうです。

【写真】列車の操作は「マスコン」で

外周を走る列車は、「マスコン」を模したリモコンで動作する(2017年2月15日、中島洋平撮影)。