消えてしまいそうなくらい不安な夜に、寄り添う曲を――SHE’S 井上竜馬 2ndシングル『Tonight / Stars』インタビュー
美しいメロディーと、スケールの大きなサウンドから「次世代ピアノロックバンド」として注目を集めるSHE'S。今年メジャーデビューしたばかりの彼らが、早くも2ndシングル『Tonight / Stars』をリリースすることになった。ドラマとのタイアップを含む両A面シングルは、さらに彼らの名前を広めること間違いなし。全作品のソングライティングを担う井上竜馬(Key/Vo.)に、自身のルーツからバンドの歴史、新作やプライベートについて聞いた。

撮影/後藤倫人 取材・文/照沼健太

ピアノに語学、スポーツも…好奇心旺盛な幼少期



――まずは音楽的ルーツから伺っていきたいのですが…小学1年生からピアノを習っていたそうですね。

小さい頃から年上の従兄弟がピアノを弾いているのを見ていて、すごくカッコいいなと思って母親に頼んで習い始めました。

――井上さんはどんな子どもでしたか?

幼稚園はひとり端っこで本を読んでいるような子どもだったんですけど、小学校後半になってだんだん人と話すようになりましたね。その頃はピアノのほかに英語も習っていたし、野球とサッカーもやっていました。好奇心は強いほうだったと思います。

――小さい頃はどんな音楽を聞いていましたか?

クラシックばかり聴いていましたね。でも、初めて買ったCDは東京事変の『大人(アダルト)』です。もともと母親が椎名林檎を聴いていて、その流れで自分も聴いてカッコいいと思って中学生のときに買いました。

――ポップミュージックも聴いていたんですね。

とはいえ、テレビで流れてくるものを聞く程度だったんですけど、中1か中2のときにELLEGARDENに出会って、そこからバンドにのめり込みました。中3でピアノをやめてギターを弾き始め、高1の夏にバンドを始めました。

――その頃のバンドではギターを担当されていたんですね。

はい。最初は洋楽をコピーしていたんですけど、オリジナル曲を作り始めたところで歌も歌うようになりましたね。



詞へのアプローチがメジャーデビューを境に変わった



――2011年にSHE'Sを結成するのはどういった経緯で?

メンバーみんな地元がいっしょなんです。僕らは各々が別のバンドをやっていたんですけど、地元のライブハウスで高校生イベントみたいなのをやったときに仲良くなって。高校卒業をする直前くらいに「大学に入ったらバンドをやらない?」って僕がみんなを誘って結成することになりました。

――メンバーとは10年くらいの付き合いになるそうですが、4人の関係性はどんな感じですか?

基本的にはギターかベースのどっちかがしゃべっていて、僕はちょっとしゃべって、ドラムは静かにしているかいじられているかって感じです(笑)。

――ちなみにスタジオの予約は誰がしていますか?

ドラムです。

――そこは意外でした(笑)。

一時期はぜんぶ僕がやっていたんですけど、今は分担してもらって、車はギターが運転、スタジオはドラムが予約、曲作りは僕っていう感じです。で、ベースは何もしていないので、何かさせないと、と思ってるんですけど(笑)。

――2016年6月リリースのシングル『Morning Glow』でメジャーデビューを果たしました。メジャーデビュー前と後で、音楽に対する意識が変わったりはしましたか?

やはりメジャーデビューをして見られ方が変わってきたという印象があって、ライブや制作、自分のスタイルというものにこれまでよりも意識を置くようになりましたね。



――音楽性において具体的に変わったことはありますか?

作詞は方法が変わりましたね。それまでひとりでやっていたんですけど、今はディレクターと「ここはどういうことを伝えたいのか」という話をして、より言葉の精度を高めるように意識しています。

――洋楽を中心に聴いてきたミュージシャンは、歌詞を日本語にするか英語にするかで迷うことが多いと思います。SHE'Sは最初から日本語でしたか?

最初はぜんぶ英語でしたね。途中で方向転換して、ちょいちょい日本語から日本語メインになっていきました。

――作詞面で影響を受けた日本人ミュージシャンはいましたか?

くるりとハナレグミですね。くるりはサウンドに寄り添っていくように言葉を使う感じがすごく好きで、あとは音から景色がすごく見えるのがスゴいなーと。ハナレグミは詩を朗読しているように聞こえる、語りかけるようなところがすごくおもしろいと思っています。

――詞ではなく曲自体はメジャーデビュー後もそんなに変わらず?

締め切りというものができたので、「さあ、曲を作るぞ」というタイミングが増えたのは確かですね(笑)。それまでは、街を歩いたり山を登ったりしているときに、ふわっと生まれる感じが多かったので。




新曲は「生きる」がテーマ 友人の病や震災がキッカケに



――10月19日に2ndシングルがリリースとなります。両A面ということですが、まずは『Tonight』について教えていただけますか?

聞く人によっては恋人に宛てた曲だと感じるかもしれないのですが、「生きる」っていうのをテーマに書いた曲です。キッカケとしては、心の病になってしまった友だちのために書きたいなと思った曲なんですけど、その後、熊本の地震があったりして……、消えてしまいそうなくらい不安になったり、マイナス思考になってしまった人が聴いてホッとするような曲を書きたいなと思って作りました。



――曲調もこれまでにない感じの楽曲ですね。

こういう淡々と続けていくバラードというものをやったことがなかったので、とても新鮮なレコーディングでしたね。構成にはすごく気を使って、レコーディング中にいろいろと形が変わっていきました。

――もう片方のA面である『Stars』はドラマ『拝啓、民泊様。』(MBS/TBS系)の オープニングテーマに決まり、そこから書き下ろしたそうですね。

はい。エネルギッシュでアッパーな曲という先方のリクエストをもとに書きました。



――歌詞はいかがですか?

歌詞自体はドラマに合わせた書き下ろしって感じでもなく、あくまで自分の体験をもとにした内容になっています。けれども、ドラマを観てくれた人にも「ここはあのシーンのことかな?」「これはこのドラマが伝えたいひとつのテーマなのかな?」と伝わればいいなと考えていて、そこのバランスは上手くできたと思っています。

――とてもエネルギーのある曲ですよね。

実はこの曲は、レコーディング2日前にできたので、本当に慌ただしくレコーディングしました。それこそメンバー全員がレコーディングしながら自分のパートをアレンジしていくような感じでしたね(笑)。

――カップリングの『Isolation』はいかがですか?

たとえば「組織や自分の立場を守るために、いじめがあっても見て見ぬふりをする」みたいな、孤立を恐れて自分の正しさを捻じ曲げてしまうのはいかがなものでしょうか、という歌です。会社に入ってしっかり働いている友人の話を聞いたことや、普段思っていることから書きました。

――3曲とも聴かせてもらって、全体的に前作よりも内省的な面が増えた印象を受けました。

前作の『Morning Glow』が朝を意識したシングルだったのに対して、今作は夜をテーマにしているんです。そういうこともあって少し内省的な方向に寄せましたね。



犬、フィルムカメラ、散歩…オフの日の過ごし方



――ここからは井上さんのプライベートについてもお伺いしたいと思います。ご自身の性格を分析すると、どういう長所があると思いますか?

長所……。性格面ですよね?

――逆に、性格面以外の長所って何かありますか?

……字がキレイとか(笑)。

――あはは。性格面でお願いします(笑)。

長所と短所の表裏一体だと思うんですけど、1回やるって決めたらやりきらないと気が済まないところですね。「意地でもやる」くらいのプライドを持って取り組めるので。短所は多すぎて、挙げていくと落ち込んじゃいそう……。

――では、オフの日は何をして過ごすことが多いですか?

何もない日を家で過ごすことはあまりないですね。どこかに出かけます。でも、最近は仕事の入ってないオフの日に制作していて、何もない日っていうのがあまりないんですよ。

――気分転換にすることは?

友だちとしゃべりますね。ご飯を食べに行ったり。あとは散歩します。




――撮影のときに公園で犬と触れ合っていましたが、犬はお好きなんですか?

はい、実家で犬を飼ってるんです。キャバリアっていう犬種で。写真を携帯の待ち受けにしてます。癒されてますね。もうこの子さえいれば何もいらない!ってくらい(笑)。

――最近のマイブームって何かありますか?

マイブーム……。あっ、今まで食に関心がなかったんですけど、おいしいごはん屋さんに行きたいと思うようになって、お店を誰かに聞いたり、自分で調べたりするようになりました。

――最近食べておいしかったものは?

ウニの肉巻きはヤバかったですね。友だちがInstagramに写真を載せていたのを見て、「うまそうすぎるぞ!」と思ってすぐに誘って行きました(笑)。

――メンバーのみなさんと食べに行くんですか?

宿泊先のホテルの部屋割りがギターとベース、僕とドラムのふたりずつということが多いので、タイミング次第ではその部屋ごとに食事に行ったり、メンバー全員でということもありますけど……メンバーとはいつも一緒にいるから、オフの日に食事に行ったりということはあまりないですね。

――10年も一緒にいるメンバーですから、「ご飯食べに行くけど…一緒に行く?」みたいな気遣いをしなくてもいい関係ですよね。

ですね(笑)。

――インスタのお話が出ましたが、写真も撮られるんですか?

そうですね。写真が好きで、友だちがフィルムを使ってた影響から僕もフィルムカメラを使ってます。最初はハーフカメラを使っていたんですけど、今は一眼レフで。ひとりで旅行しているので、風景を撮ることが多いんですけど、人物も撮りたいなと思ってます。

――最後に、最近聴いて良かった音楽があれば教えてください。

日本人でインストの音楽を作っているSerphですね。無機質で美しくて、それでいて力強さや繊細さなど、全部が詰まっているような印象。すごい音楽だと思って聴いています。



【プロフィール】
SHE’S(シーズ)/全楽曲の作詞・作曲を担当する井上竜馬(Key/Vo.)と、服部栞汰(G.)、広瀬臣吾(Ba.)、木村雅人(Dr.)からなる、メンバー全員が1992年生まれのピアノロックバンド。2016年にシングル『Morning Glow』でメジャーデビューし、期待の新星として注目されている。
【公式HP】http://she-s.info/
【Twitter】@SHE_S_official_


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■応募方法:ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT


■受付期間:10月18日(火)12:00〜10月24日(月)12:00

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・当選者発表日/2016年10月25日(火)
・当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し) のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
・当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから10月25日(火)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき10月28日(金)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。

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