岡山県瀬戸内市は、中世から日本刀の名産地として知られてきた「刀剣の聖地」だ。現存する日本刀283万振りのうち、およそ半数が備前と呼ばれるこの地域で打たれたという。量だけでなく、質が高いのも特徴で、国宝に指定されている111振りのうち、47振りも作られた。しかし、国宝の刀は各地に散らばり、市内には一振りも残されていない。そこで、瀬戸内市の「悲願」として始まったのが、国宝「太刀 無名一文字」(愛称・山鳥毛)の