厚切りジェイソン お笑いもIT企業役員も頑張る素顔

「R-1ぐらんぷり2015」に出場して“謎のアメリカ出身ピン芸人”として話題になり、決勝戦へ進出。そして現在、人気爆発中の厚切りジェイソンさん。彼の十八番である“漢字ネタ”が誕生したのは、毎日の書き取り練習中だったとか。

「初めて日本へ来たときにテレビで 『エンタの神様』や『リンカーン』 を見て、あまりの面白さにハマってしまったんです。その後一度帰国したのですが、芸人を目指そうと思い日本のお笑い養成所へ入学しました。 最初は全然ウケなくて、心が折れそうになりながらも、ネタを作っていたんですね。ある日、いつものように漢字を勉強していたら“銅”という文字が出てきた。それを見て“金 に同じと書いて銅。いやいや、金と銅は同じじゃないでしょ！”とその矛盾に心の中でツッコんだときに、“これはネタにできるかもしれない”とひらめいたんです」 　

でも、最初はこんなにウケるとは思っていなかったそう。

「『R-1ぐらんぷり』も一回戦で敗退だろうと思っていたのに、気がつけば決勝まで進んでいて、本当に奇跡だと思いました。でも、実はちょっと罪悪感があるんです。とにかく明るい安村さんとか、何十年も頑張ってやっと出られた人もいるのに、当時芸歴4か月だったジェイソンが出てしまっていいのかなって…」 　

実は彼、お笑い芸人でありながら、IT企業の役員という顔も持っている。人気が出たことで、もうひとつの仕事に何か変化はあった？

「海外の人とやり取りすることが多いので、ジェイソンが芸人をしていることを知らない人がほとんどです。でも、日本での会議中には普通にボケるので、“大事なところだから真面目に”と、よく怒られてます（笑）。仕事ではないですけど、最近、声をかけてもらう機会が増えて嬉しいんですが、“アーユーアツギリ？”とカタコト英語で話しかけられることがあって驚きました（笑）。“いやいや、日本語でいいから！”ってね。今後も、両方の仕事を頑張りたいです。いつかは自分の会社を作りたいし、ストレスリリースとして大好きなお笑いも続けたい。でもまずは、一発屋にならないことが目標ですね。ひとりコントや漫談とか新しいネタを考えて、来年の『R-1ぐらんぷり』こそ優勝したいと思います！」

◇あつぎりじぇいそん　芸人。名前の“厚切り”は、厚木市在住、胸板の厚み、厚切りベーコンという単語を見たときに思い出してもらえるようにという3つの理由からつけた。DVD『WHY JAPANESE PEOPLE！？』が、6月24日（水）に発売決定！　￥3,000　発売元：コンテンツリーグ

写真・土佐麻理子

※『anan』2015年4月8日号より　《anan編集部》