ニッポンの「おもてなし」が日本人を不幸にする|May_Romaコラム
みなさんあけましておめでとうございます。昨年よりワタクシの罵詈雑言におつきあい頂き感無量であります。
「お前いつになったら熟女作品にでるのか」といお手紙を頂くのでありますが、皆様がワタクシの新作書籍をご購入下さり、ワタクシが金持ちになった暁には、高須クリニック様にてデミ・ムーア様も真っ青の全身整形を施し、歯列矯正した上で、世界最高齢AV男優である徳田重男様あたりにお相手して頂き、いたしたままで南極海に沈んで素麺をすすり3Dプリンタで色々作ってみるといった企画物に取り組みDMM様あたりにアゼルバイジャンのサーバーからバングラデシュのワーカーを使って配信などして頂ければと存じますが、それはすべて本の売り上げにかかっているというわけで、1月27日発売の書籍『添削! 日本人英語 ―世界で通用する英文スタイルへ』(朝日出版社)をお買い上げ頂ければ幸いです。
さて今年一発目の罵詈雑言で、2ちゃんまとめサイトと、ゴキブリだらけの部屋でペヤングをすすっているネトウヨの皆様に、新年のささやかな罵倒ネタを提供できればと思う次第です。
日本人を不幸にする「おもてなし」文化今年のネタは「おもてなし」であります。お前、どうせまた出羽の守ポジショントークで、滝川クリトリスさんをDisるつもりだろ、お前の様な不細工はクリトリスさんの尻の穴でも拝んでろ、と言われそうですが、新年だからこそこの「おもてなし」をDisらなければなりません。
「おもてなし」は日本のお家芸と呼ばれております。
お客様は神様仏様ということで、どんなクソ客が来ても、笑顔で接客するというアレです。
家電の店においては、「お前の所の炊飯器で米を炊いたら湿気で床が抜けた」と怒鳴り込む爺さんを、それ以上怒らせずに「お客様、貴重なご意見誠にありがとうございます」といいつつ、返金とか新品への交換とかそういう面倒くさいことは避け、店に糞尿をまかれない様にディフェンスし、しかし時給は1200円で、紹介予定派遣なのに全然正社員になれなくて、なぜかサビ残も当たり前で、年末正月出勤当たり前で、土日も働いてて、でも42歳で独身で半分ボケた親と実家に住んでる、というアレです。
もしくは、「姉ちゃん、今日はどないなパンツはいてまんの? 何? うちは保険屋? お客様保険の話だけにして下さいって? ええやん、ちょっとパンツの色教えてよ。ワシは暇でしょうがないんよ」という電話をかけてくる無職のオッサンも丁重に切り返し、年下のスーパーバイザーには「山田さん、契約延長したいなら、あのさ、今度、一対一で飲みに行きましょうよ」といわれ夜のお付き合いまで要請されるんだけど、時給は1300円で、契約は3か月更新で、勤め先はクソ田舎にあるクソみたいなコールセンター、というアレです。
もしくは、ピザを配達いたしますと「ちょっと、あんたの店のコールスローなんだけど、量が少ないわけよ。しかもあんた配達3分遅れたわよね。コールスローも少ないし、遅れたし、全部無料にしてよ。うちの旦那、市役所だからさ、アンタの所のサービス悪かったらたれ込むから」と延々1時間ゴネる専業主婦様の前で「ピザがとっくに冷めてんじゃねーの」と思いつつ、それは口に出さないで、フライパンで殴打されない様にうまく切り返して、なおかつピザも無料にはしないが、こんな電波な客に一日10件ぐらい対応して時給はたった850円というアレです。
この様に素晴らしい日本のお家芸である「おもてなし」でありますが、「おもてなし」すればするほど、電波な客はつけあがり、無料のコールスロー、無料の設置サービス、無料の炊飯器を要求してくる上、働く方は疲弊して、結婚もできなくて、親はボケてて、という誰も得しない無限ループなのであります。
消費者より働く人のほうが偉いという価値観電波な客さえも「おもてなし」してしまう文化というのは、日本の外ではあまりありません。なぜかというと、働く方が偉いからです。人間誰しも遊びたいし、仕事などしたくありませんので、働く人は、働いているというだけで偉いのです。
西欧州の場合、「炊飯器で床が抜けた」という客が来たら「お前ふざけてんのか」とガツンとかまして、警察を呼ぶのです。なんでそうなるかというと、店はお客の家ではないからです。お客は人様の店舗で物を見たり買ったりさせて頂く「奴ら」なのです。そういう感覚は、別に西欧州だけではなく、北米とかロシアとかチュニジアとかカザフスタンでもあまり変わりません。安食堂だったら客の席で店員がご飯食べるのは当たり前です。高級店じゃないので、客なぞそんな感じの扱いで十分なのです。丁重に扱われたければ銭払って高い店に行けばいいんです。しかし「おもてなし」日本では、激安店にやってくる電波も丁重に扱ってしまうので、つけあがるわけです。
それで、日本の外の人々はそもそも働くのは嫌いで、電波は丁重に扱うんじゃなく、ムカつくならぶん殴れという感覚なので、「おもてなし」の輸出なんて不可能に決まってるというか「お前頭おかしいだろ」と言われて終了です。
というわけで、日本人が幸せになりたいなら、「炊飯器で床が抜けた」と文句を言ってくる電波客は警察に突き出せということです。
著者プロフィールコンサルタント兼著述家
May_Roma
神奈川県生まれ。コンサルタント兼著述家。公認システム監査人(CISA) 。米国大学院で情報管理学修士、国際関係論修士取得後、ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社を経てロンドン在住。日米伊英在住経験。ツイッター@May_Romaでの舌鋒鋭いつぶやきにファン多数。著作に『ノマドと社畜』(朝日出版社)、『日本が世界一貧しい国である件について』(祥伝社)など。
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(Photo by elmarte74 via Flickr)