【プロ野球】巨人・阿部慎之助の後釜になる正捕手は誰だ
球団創立80周年の節目の年に、満を持して日本一奪還に挑んだ読売巨人軍(以下、巨人)。レギュラーシーズンを1位で終えたものの、クライマックスシリーズでは、2位の阪神タイガースに屈辱の4連敗を喫したのは記憶に新しい。歴史的大敗ともよべるシリーズの戦犯として名前があがったのが、正捕手として長年、巨人を支えてきた阿部慎之助だった。クライマックスシリーズでは4番を任されながら、16打数2安打。レギュラーシーズンでも、不調が続く場面も多く、捕手と主砲の両立はファンの目から見ても明らかに限界。来季はファーストに専念し、“ダメなら引退”と覚悟を決めたとも報じられている。
そうなると、巨人は正捕手の確保が大きな課題となる。そのため球団は、ヤクルトからFA宣言していたベテランの相川亮二捕手を獲得し、さらには、高卒2年で和製大砲との呼び声も高い、内野手・和田恋の捕手適正をテストするなど、不動の存在だった阿部の後釜探しを開始。ドラフト1位ルーキーで侍ジャパンにも選出された小林誠司も含め、未来の正捕手に注目が集まっている。では一体、その正捕手には誰が一番近いのか。
未来の正捕手は“鬼肩”の持ち主「相川は年齢的に、連続してマスクをかぶるのは難しい。和田は本当に捕手にコンバートされるのであれば、使い物になるまでに3年はかかるでしょうね。となると、小林と言いたいところですが、彼はまだリードがアマチュアレベル。そうなると、誰に“扇の要(守備の中心)”を託すのか。まだまだ無名ですが、2軍にいる鬼屋敷正人が一気に頭角を現すのでは。と期待している関係者は多いですね」(球団関係者)
鬼屋敷正人とは、来季で6年目迎える右投げ右打ちの捕手。近畿大学工業高等専門学校3年時には、遠投118メートルの強肩で高校球界No.1捕手と呼ばれた逸材。“鬼肩”と評されたその強肩も注目され、巨人からドラフト2位指名を受けて入団。しかし、ここまで1軍での出場はわずか2試合。そんな彼に、なぜ注目が集まっているのか。
「シーズンも終盤にさしかかった9月19日のイースタンリーグの横浜戦で、鬼屋敷は3連続で盗塁を阻止したんです。彼はコツコツと努力するタイプ。プロの世界で6年かけて、自慢の鬼肩を磨き続けていたんですよ。これは首脳陣にも強烈なインパクトを与えたようで、来季は頭から一軍で。という声も上がっているんです」(同)
未完の大器と期待され早6年。鬼屋敷の鬼肩は、正捕手の座を射止めることが出来るのだろうか。
(取材・文/佐々木浩司)