浦和実vs川口工
同点打を放つなど打線を牽引した5番横田（浦和実業）。
1点のビハインド。突破口を切り開いたのは元4番の一打からだった。
2回表、浦和実の先発・南雲 郁弥が川口工の4番山本にストレートを捉えられ、バックスクリーンに打ち込む本塁打で1点を先制される。
だが浦和実は4回裏、二死から4番清水が四球で出塁すると、清水が盗塁を決めて、5番横田が打席に立つ。この横田、新チーム当初は4番を任されていた選手だったが、不振で5番に下がっていた。不振の原因を横田は考え過ぎだったと話す。「自分、結構上がることがあって、こうなったらどうしようといろいろ考えすぎたんです。だから今日は無心で振り抜こうと思って」横田は名久井の直球を振り抜き、左前適時打で、同点に追いつく。さらに横田が盗塁を決め、6番宮澤響の左前適時打で逆転に成功。二死一、二塁となって、8番南雲が中前適時打を放ち、3対1と点差を広げる。
6回裏、無死二塁から再び横田があわやホームランと思わせるフェンス直撃の二塁打を放ち1点を追加。
浦和実はコツコツと当てる選手が多い中、横田はフォロスルーまで豪快に振っている。確かに4番を任されているのも分かる長打力であった。
この一打で再び勢いに乗った浦和実は、ボークで1点追加すると、9番菅原のスクイズ犠打、1番田嶋の右前適時打でこの回4点をあげ、7対1とした。
浦和実は南雲が5回1失点。また6回から左腕の金井が登板。金井は最速128キロのストレート、スライダー、カーブ、縦スライダーを織り交ぜ、4回無失点の好投で、試合を締め、7対1で川口工を下し、浦和実が県大会出場を決めた。
同点打を放った横田は、「今日は無心で行って、自分のスイングが出来たので、県大会もそのスイングで行きたいと思います」意気込みを語った。
今年の浦和実はエースの南雲以外、夏を経験したメンバーが少なく、まさにザ・新チーム。その中で、主軸を任される横田にかけられる期待は大きいだろう。
横田は言う。「うちが繋がったときは大量得点が取れるほど破壊力があります。だから経験ある投手陣を盛り立てていきたいと思います」3回裏、6回裏の攻撃はそんな片鱗が見えた。県大会でも破壊力を見せることができるのか。浦実打線に注目だ。
(文＝河嶋 宗一）
