県立川口が圧勝も、守備に課題を残す

中島(県立川口)

  この夏、浦和学院を破った川口。注目は浦和学院打線を抑えたエース・中島 史也の投球。しかし、この日は川口打線の攻撃力が光った。

 1回裏、一死二塁から3番中島の適時打で、1点を先制すると、2回裏、二死二、三塁から1番伊藤 慶が左翼越えの適時二塁打を放つと、2点を追加すると、二死満塁から横溝の2点適時打、さらに二死二、三塁から5番斉木の適時三塁打でこの回6点目。さらに6番向井の左前適時打で8対0と大きく差を広げる。

 打線の援護をもらった先発の中島。テークバックを取ったとき、右腕のグラブを高々と上げながら、右胸に抱え込んで、開きを抑えられた実戦的なフォーム。この日は控え目な投球内容だったが、コントロールが実に安定しており、打てるコースがほとんどない。3回無失点の好投。まだ全力を発揮しているとは言い難いだろう。次の登板機会でじっくりと見てみたい。

川口は4回表、併殺崩れの間に1点を追加し、更に続く5回表には3番中島の適時打で、3点を入れ、12点を奪った。12得点。

大勝にも鈴木将史監督は「振れていましたけど、あくまでうちが重視しているのは守備です。打線は水物ですから」と話した。

 全体練習にかける時間が多いのは、守備練習だという。基本動作、カバーリングなどに時間をかけてきた。しかし今日、課題が出たのは守備だった。4回裏にはのヒットで1点を取られ、5回裏にも失策絡みで1点を取られた。鈴木監督は、「2番手の松本が出てきて、守備で盛り立てなければならないのに、失策が出てしまうのは、県大会へ向けての課題となりました」県大会へ向けての課題を語った。攻撃力だけではなく、失策があったとはいえ、選手の動きを見ると、速く、送球を見ると肩が強く、鍛えれた好チームであることが伺えた。

 2012年春に関東大会出場している川口。例年、力のあるチームを育てあげ、更に今秋は夏を経験したエースの中島が残るだけに、県大会の戦いぶりにも注目をしていきたい。

(文=河嶋 宗一)