堀越、2試合連続逆転勝利で5回戦へ!芝・田中、力投及ばず

 好投手・田中 裕貴(3年)擁する芝が、4回戦まで勝ち上がってきた。この日の相手は堀越。3回戦では、日体荏原との延長15回引き分け再試合を制した実践学園に、2対3で迎えた8回に6点を挙げ、逆転で勝利を収めた。これまでの2試合で20得点と打線も好調だ。

 一方で芝のエース田中は、ここまで2試合を完投。芝が、3回戦までの3試合で失った得点は僅か2点と、高い守備力を誇る。その芝と、堀越との一戦。

 芝は、初回。1番安部広太郎(2年)が四球で出塁すると、2番杉浦 輝(3年)の犠打で一死二塁。続く3番関口裕也(2年)が相手エラーで出塁すると4番田中が左前適時打を放って、まず1点を先制する。

 3回には、1番安部が今度は右中間を真っ二つに割る二塁打で、チャンスメイク。2番杉浦の投前バントは、三塁に送球されるも、判定はセーフ。フィルダースチョイスで無死一、三塁に。ここで3番関口が死球で満塁とすると、打席には先制打を放った4番田中。田中はレフトへの犠飛を放って、1点を追加。芝が2対0と試合をリードする。

 2点を追う堀越は、5回裏。先頭の8番川尻瞭太(3年)が内野安打。9番奈良原稔也(2年)の犠打で、得点圏にランナーを置くと、2番高木翔伍(3年)が田中から粘りのヒッティングで、センターに打球を運ぶ。しかしセンターが大きく左中間に守備位置を寄せていた。打球はだれもいないセンターを転々と転がる。まず二塁ランナーが生還。さらに、打った高木も、一気にホームまで還ってくる。高木の一打は、ランニングホームランとなり、2対2の同点に追いついた堀越。

 

 同点に追いつかれた芝は直後の6回。4回から、先発の川尻に代わってマウンドにあがる渕上 佳輝(2年)の制球が定まらず、二死から3四死球で満塁とするも、8番清水悠貴(3年)はレフトフライに打ち取られ、無得点に終わる。

 満塁のピンチを凌いだ堀越は、その裏。やや疲れが見え始めた芝の田中を攻め立てる。5番入山功大(3年)が中前打で出塁すると、鈴木勇飛(3年)がライトオーバーの二塁打を放って、ついに逆転に成功。

 1点を追う展開となった芝の前に、今度は、7回からマウンドに上がった堀越のエース柴 聡(3年)が立ちはだかる。7回を2三振の打者3人に斬って取られると、8回には、先頭の田中が左前打で出塁するも、柴は、要所で三振を奪う快投をみせる。5番村田是水(3年)が犠打を決めて一死二塁にしたあとは、6番渡辺純平(2年)に2ストライクから最後は胸元をえぐる直球。続く、7番代打・中島 健(2年)を四球で出塁させ、二死一、二塁とするが、8番代打・福田雄大(2年)をカウント2−2から、ここは変化球を振らせて、空振り三振。芝の反撃の芽を潰す。芝は9回の攻撃も、打者3人で打ち取られ、ゲームセット。

 3対2で堀越が芝を下して、3年ぶりの5回戦進出を決めた。敗れた芝の田中。試合後は、涙をにじませながらも、その表情に悔いはなかった。好投手・田中 裕貴の夏が、終わった。

(文=安田 未由)

【野球部訪問:第133回 芝高等学校(東京)】