相手の方が体格も良くて、激しく身体もぶつけてきますが、しかし、相手はプロレスラーでもなければ、蹴ったり殴ったりしてくる訳でもないので、しっかり腰を落としてブロックすれば防げますし、そういうプレーをすれば高い確率で相手のファールになりますから、とにかくフィジカルコンタクトは絶対に怖れない事、それは徹底してやって欲しいなと思いますね。

北朝鮮の選手のストロングポイントは、運動量とフィジカルコンタクトの強さ、しかなかったので、そこで日本が勝てないまでも負けなければ、相手は必ず怯むか、更に負けまいと激しく競り掛けてきてファールを連発するか、という事になってくると思いますから、そういう事も考えながらプレーするという事が大切だったと思います。

北朝鮮代表は、激しくフィジカルコンタクトに行けなくなるという事、退場者を出してしまうという事、それを明らかに怖れていました。3枚の交代の内の2枚は、イエローカードを受けた選手を代えたものでした。従って、自分たちのサッカーが出来ない、自分たちのペースで戦えない、どうしよう、どうしよう、という事だけを考えるのではなく、相手が何を嫌がっているのかという事を考えてプレーするという事、それが求められていたと思います。

相手にとって日本がどういうプレーをする事が嫌だったのか? それはドリブルで突っ掛けられてしまう事と、フィジカルコンタクトで対等にプレーされてしまう事と、その2つでもありましたから、そういう意味でも、やはり、逃げのパスをせずにドリブルをするという事、フィジカルコンタクトを怖れずにプレーするという事、それが必要だったのではないかと思っています。

これは男子の場合でも同じだと思っていますが、どうしても日本の選手というのは、自分たちのサッカーが出来るかどうか、という事だけに執着してしまうところがあって、しかし、やはりサッカーに限らず相手があるスポーツの場合には、必ず様々な要因で自分たちのやりたいように出来ない、という事がありますから、そういう事は常に頭の片隅に置いてプレーして欲しいなと思います。

と言う事で、試合の方は、後半37分に日本がOGで先制点を奪い、後半ロスタイムに同点に追い付かれての引き分けという結果でした。が、しかし、この試合の後に行なわれた中国対オーストラリアの結果がオーストラリアの勝利という事になったので、これで3勝1分0敗、勝点10のなでしこジャパンが2位以内を確定させ、ロンドン五輪出場のキップを手にする、という事になりました。

まずは、おめでとう、と言いたいと思います。おかしな日程、荒れたピッチ、その事に苦しめられながらも、きっちり結果だけは出してきました。その事については、選手はよく頑張ったなと素直に思います。但し、おそらくは監督や選手もそう思っているのではないかと思いますが、もう少し老獪さやタフさというものを身に付けるなり、なでしこらしいサッカーの質を向上させるなりしないと、五輪での戦いというのは厳しいものになるかな、という気がしますね。