市場調査会社・Mercury Researchの調べにより、AMDが2024年第3四半期のデスクトップCPU市場において、2016年以来最大となる、28.7%のシェアを獲得したことが報告されています。同様に、ノートPCやサーバー向けCPU市場でも着実な成長を遂げていることが明かされました。

AMD's desktop PC market share skyrockets amid Intel's Raptor Lake CPU crashing scandal - AMD makes biggest leap in recent history | Tom's Hardware

https://www.tomshardware.com/pc-components/cpus/amds-desktop-pc-market-share-skyrockets-amid-intels-raptor-lake-crashing-scandal-amd-makes-biggest-leap-in-recent-history

AMD's desktop CPU share soars 10 percentage points in a year | PCWorld

https://www.pcworld.com/article/2514386

AMD’s Ryzen 7 9800X3D is out of stock at many retailers - The Verge

https://www.theverge.com/2024/11/8/24291165/amd-ryzen-7-9800x3d-stock-sold-out

以下はMercury Researchによるデスクトップ向けx86 CPUのシェア率の推移を示したグラフです。2024年第1四半期、青で示されたIntel製CPUのシェア率が伸び悩んでいる一方、赤のAMD製CPUは着実な成長を遂げており、2024年第3四半期には前年同期比9.6%増となる28.7%のシェア率に達したことが報告されています。海外メディアのTom's Hardwareによると、デスクトップ向けCPU市場におけるAMDのシェアは過去15年間で最高記録とのこと。



実際にAMDが2024年11月にリリースしたデスクトップ向けCPU「Ryzen 7 9800X3D」は、世界中の各地で在庫切れとなっています。通販サイトのeBayではプレミア価格での転売が行われていることが報告されているように、AMD製CPUの人気の高さが浮き彫りとなりました。





Mercury Researchのディーン・マッキャロン氏は「デスクトップ向けCPUにおけるIntelのシェア率の低下は、Intelの第13・14世代Coreプロセッサのクラッシュ問題に伴う、Intelへの否定的な報道が殺到したことが理由の1つです」と語っています。

実際にIntelは2024年11月に第13・14世代Coreプロセッサのクラッシュ問題について、ユーザーからの集団訴訟が提起されています。

Intelの第13・14世代Coreプロセッサのクラッシュ問題で集団訴訟が提起される - GIGAZINE



同様に、ノートPC向けCPU市場でもAMDはシェアを拡大しており、2024年第3四半期には前年同期比2.8%増となる22.3%のシェアを獲得しています。Tom's Hardwareは「この結果はおそらく、AMDがRyzen AI 300シリーズ製品をIntelのLunar Lakeよりもわずかに早く発売し、x86ベースのCopilot+ PCに多く搭載できたためと考えられます」と推察しました。



サーバー向けCPUでもAMDは緩やかな成長を遂げています。2024年第3四半期におけるサーバー向け市場でのAMD製CPU「EPYC」のシェアは2024年第2四半期から0.1%増、前年同期比で0.9%増の24.2%に達しました。Tom's Hardwareは「これはかなり緩やかな増加ですが、AMDの市場シェアが段階的に増加していることを示しています。今後数四半期にかけて、AMDの市場シェアはさらに増加するでしょう」と語っています。



また、2024年第3四半期においてデータセンター部門の収益に関してAMDがIntelを上回ったことも報じられています。

AMDがデータセンター部門の収益で初めてIntelを上回る - GIGAZINE