事故が怖いので、高速でも「時速50km」で運転しています。夫から「遅すぎると捕まるよ」と言われたのですが、本当なのでしょうか…?

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高速道路は信号がなく、制限速度が一般道路より速く設定されているため、一般道路よりもスピードを出しての運転が可能です。ただし、高速道路にも制限速度は存在しますので、スピードの出し過ぎには注意が必要です。 このように、スピード違反というと法定速度よりも速いスピードで運転する場合を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実は遅すぎてもスピード違反となります。本記事で、詳しく解説します。

遅すぎても罰金が科される

「スピード超過で捕まる」ことは簡単に想像できますが、「スピードが遅すぎて捕まる」という状況はなかなかイメージしづらいかもしれません。
スピード違反で捕まった人の話を聞く場合も、スピード超過がほとんどであり、スピードが遅くて捕まったという話は聞いたことがないのではないでしょうか。
しかし、高速道路の速度規定においては、最高速度だけでなく、最低速度も定められています。つまり、最低速度よりも遅い速度で走行した場合も、違反となります。
具体的には、道路交通法第75条の4にて「高速自動車国道の本線車道においては、道路標識等により自動車の最低速度が指定されている区間にあつてはその最低速度に、その他の区間にあつては政令で定める最低速度に達しない速度で進行してはならない」と規定されています。
気になる最低速度ついては、道路交通法施行例第27条の3にて「政令で定める最低速度」として定められており、これは「時速50キロメートル」です。
実際、高速道路で時速50キロメートルを下回る速度で走行した場合、「最低速度違反」として6000円の反則金が科されます(普通車の場合)。
 

「遅すぎて違反」とならないために心がけることとは?

「安全のために」と高速道路をゆっくりと走行してしまい、スピード違反になって反則金を支払うことは避けたいところでしょう。
スピード違反となるほど遅すぎる運転をしてしまわないために、心がけるとよいことを紹介します。
 

前車との車間距離を一定に保つ

前車に追従し、同じ速度で走行すると大抵の場合は最低速度以上を保って走行できます。
十分な車間距離を保ちつつ、車間が空き過ぎないよう注意しましょう。なお、当然ながら前車が自分の技量や最高速度を超えたスピードで走っている場合は、ついていく必要はありません。
 

自動車に搭載された機能を活用する

自動車にもよりますが、昨今は設定した速度で一定に保って走行する「クルーズコントロール」という機能があります。
完全に頼り切ることは避けたいですが、自車が前車を追従しながら速度を調整するので、遅すぎる速度での走行を予防できるでしょう。
 

周囲の状況に気を配る

最低速度違反による走行は、スピードが遅すぎて周りの交通の流れを乱すことで、事故の原因になるリスクがあります。走行中は常にバックミラーやサイドミラーをチェックし、周囲の車の速度や位置関係を把握することが大切です。
特に、後方からスピードの速い車が接近している場合、走行車線(左側)を選んで道を譲り、スムーズな交通の流れを維持するように心がけましょう。
 

速度感覚を習慣化させる

高速道路では、通常よりも速い速度で運転するため、速度感覚が鈍くなることがあります。気づかないうちに速度が落ちて(あるいは上がって)いることがあるので、定期的に速度計を確認する習慣を身につけることが大切です。
 

最低速度を意識しすぎず、安全第一の心構えが大切

高速道路では最低速度である時速50キロメートルよりも遅い速度で走行すると、捕まって反則金を徴収される可能性があります。遅すぎるスピード違反とならないように、高速道路を運転する際は法定速度で走行する習慣をつけましょう。
とはいえ、交通量や天候、道路の状況によっては、無理に速度を上げると危険な場合も考えられます。最低速度を守ることはほかのドライバーや自身の安全を守るために必要ですが、状況に応じて柔軟に対応し、快適な走行やスムーズな交通の流れを維持できるよう心がけましょう。
 

出典

e-Gov 法令検索 道路交通法
e-Gov 法令検索 道路交通法施行令
警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー