錦織一清さん(写真提供◎事務所 以下すべて)

写真拡大 (全4枚)

放送作家・コラムニストとして、数多くの著名人にインタビューし、コメンテーターとして活躍している山田美保子さん。小さいころは引っ込み思案で話すことも苦手だったそう。そんな山田さんを変えたのは何だったのか。さまざまな出会いや、出会った人のアドバイスを通じて、今の自分があるという山田さんが、自分が楽になるコミュニケーション術を紹介する本連載。第52回「錦織一清さんインタビュー」です。

【写真】ダンスレッスンの様子

* * * * * * *

「追悼 ピーコさん 仕事もプライベートも、いつも愛を持って叱ってくれた人。その言葉は私の人生のトリセツです」はこちら

ユニット「Funky Diamond 18」

「いま、すごくラクにやれていますし、この年になると、自分の中にある色々な部分を楽しめる余裕のようなものも生まれていますね」とは錦織一清さんです。

10月18日にリリースされたアルバム『PLATONIX』を引っさげて、11月7日からライブツアーをスタートさせるのは錦織さんとパパイヤ鈴木さんによるユニット「Funky Diamond 18」。


ニューアルバム『PLATONIX』のジャケ写

お二人は高校時代の同級生で、それからも共に日本のダンスシーンの真ん中で表舞台にも立つし、振付や演出など裏方としても歩み続けてこられました。

2023年に、ユニット結成直後にインタビューさせてもらった際には、パパイヤさんが、「我々が知っている〈少年隊のニッキ〉のダンスとは異なるノリやステップなんだ」と。「そんなニッキをほとんど見たことがないニッキのファンの皆さんに見てほしい」と熱く語っていらしたのが印象的でした。

そんなお二人が昨年のツアー以来、再び仕掛けるとっておきのエンタテインメント。

お二人の配信番組『Wack Wack TV』での共演がきっかけで実現した、気志團の綾小路翔さん作詞の『KING & JOKER』をはじめ、錦織さんが作詞を手がけた選考配信シングル『Headlight Blue』、パパイヤ鈴木さんとおやじダンサーズのナンバー『Love Hunter』も収録。さらには錦織さんのファンクラブ・ライブ会場限定版には2023年のツアー最終日の福岡公演の模様が収められるなど、パパイヤさんの言葉どおり、今回も「少年隊のニッキ」とは異なる錦織一清さんのイケてる魅力が満載なのです。

グループ時代とはテーマが変わった

「9月後半ぐらいからライブの準備をしたり、アルバムやツアーのプロモーションで地方のテレビ局やラジオ局などにも伺ったりして、あぁ、昔みたいだな〜って思いながら楽しめています。パパイヤが、このライブをやることを殊の外、喜んでくれていて、今年5月の僕の誕生日を記念して開いたディナーショーの動画を常に持ち歩いて、色んな人に見せてくれてもいます」と語る錦織さん。

話を聞けば聞くほど、パパイヤさんがニッキさんのダンスの大ファンであり、少年隊時代のファンの皆さんに「リズムのとり方からステップの踏み方まで、ニッキは、“こっちの人”」と言っているのが印象的でした。“こっち”について錦織さんに解説してもらいましょう。

「こっちが良くて、そっちが良くないとか、そういう話ではないんです。グループ時代は、ショーとして見せる形でしたから、アーティストとお客さんとの間に“距離感”はあったと思うんです。でも今は、パーティー形式で一緒に楽しんでもらうことをテーマにしています。レースに例えると……ってマッチさん(近藤真彦さん)みたいだけど(笑)、コース取りしたレーシングカーを観覧席で見るのではなく、街をみんなでドライブしているカンジと言えばわかりやすいかな。それもツーシーターのクルマ……、あ、それじゃあパパイヤと僕だけになっちゃうか(笑)。3人乗りのクルマで、お客さんと僕とパパイヤとで街に繰り出すイメージですね」

今は好きなことが出来てしなやかに

パパイヤさんやサポートのミュージシャンの皆さんと曲作りをしたり、ステージを作ったりしている今の気分は、昔とどのように違うのかを錦織さんに訪ねると…。

「もしかすると僕には、こちらのほうが似合っているのかもしれませんね。マストのものが拭いされたので、気持ちもすごくラクです。
そのあたりの僕の気持ちが、ファンの皆さんには比較的早く伝わったみたいで、ディナーショーで踊れるフロアを作ったら、皆さん、一緒に踊ってくれたんです。もしかすると、心配したり戸惑ったりしていたのは実はこっちのほうで、逆にファンの人たちから新しさを見せてもらったような気がしています。

正直、忙しくなりましたし、好きなことがやれるようになりました。面白いもので、そうなると、自分自身、しなやかになれるっていうか、柔軟性も出てきましたね。最高なのは、会いたくない人に会わなくて良くなったこと(笑)。組織やグループにいたら、そういうワケにはいきませんからね。僕は昔から、けっこうワガママは聞いてもらっていたほうでしたけれど……、精神衛生上、いまは最高ですね」

SNSのお陰で壁が取り除けた

以前の所属事務所ではなかなか許されなかったSNSも、錦織さんは軽やかに利用していらっしゃいます。

「これまであった、ファンとの距離とか壁とかが、SNSのお陰で取り除けたようにも思います。皆さんのナマの声が聴けるようになったことで、あぁ、こんなふうに見ててくれたのかとか、こんなふうに応援してくれてたんだって、最近になってわかったこともたくさんあります。僕は来年還暦なんですが、この年齢になっても、こんなに新しい発見があるんだということをわからせてくれたのはファンのみんなだと思っています。

でも……、僕がXで、けっこうボケてるんですけど、みんなツッコミが速すぎるんだよなぁ(苦笑)。あと2〜3日ぐらいネタを寝かせといたほうが面白くなる思うんだけれど、僕のファンの皆さんって、勘がいいんですよね。すぐに『それは、こういうことですね』って返してきちゃう(笑)。もちろん、このスピード感は有難いことでもあるんですけれど」

アラ還、独身、イケオジの日常

プライベートについても、お聞かせいただけますか? アラ還、独身、イケオジの日常、とても興味があります!

「ほんとに興味ありますか?(苦笑)ちょっと前まで、お米が品薄でしたけれど、最近は新米も含めて、スーパーでお米がちゃんと買えるようになったので、自分で炊いて、家で御飯を食べていますよ。僕、スーパーの“マイかご”、3軒分、持ってますから。あれ、便利ですよね〜。炊飯器も選びに選び抜いて、いいのを使っています。1回、2合は炊きます。1合だったら土鍋で炊く……。御飯にはこだわりがあるんですよ。炊飯器の場合は、保温は切っちゃって、食べきれない分はラップでくるんで冷凍して、またレンジでチンして食べてますね。

本当は御櫃が欲しいんですけど……、以前、持っていた御櫃が、まさにタガが外れてしまってバラバラになってしまってから次を買えてないんですよね……って、こんな話でもいいですか?(笑)御櫃がバラバラになった話なんて郷ひろみさんからは聞かないだろからさぁ(爆笑)。ザルの底が取れちゃったこともあるし、この間、浄水器も壊れちゃって……。

けっこう笑えますよ、僕の生活。繰り返しになりますが、郷ひろみさんの家では起こらないようなことが僕の家では起きてます。
この間も、夜、洗顔石鹸をクリームと間違えて顔に付けて寝ようとしたからね。最近は、歯磨きのチューブもなんだか“ずんぐり”していて、みんな似てるのがいけないんだよね。
でも、郷ひろみさんは、こういうのも間違えないんだろうなぁ……(笑)」

“御飯の御供”はシンプルに

“御飯の御供”は何がお好きなんですか?

「僕、おかずが多いのは嫌いなんです。だから炊き立ての御飯だったら“玉子かけ御飯”とか、なめたけなんかも最高ですね。あと、ふりかけの『のりたま』で食べたいなぁと思うときは間違いなく御飯を炊きますね。パパイヤは『ごはんですよ』が好きだって言ってました」

パパイヤ鈴木さんとは本当に仲良しなんですね。

「高校時代から一緒だし、僕は僕で裏方気質のようなところもあるし、パパイヤは本当に“裏方”だった時代もあるので、気が合うんでしょうね。でも、僕の家にパパイヤが親戚一同で遊びに来るのはやめてほしいんだよなぁ。パパイヤ……、家族写真を僕の家で撮ってるですよね。なんだか我が家はレンタルスペースみたいになってるんですよ。郷ひろみさんの家だったら、そんな貸し方はしてないと思いますけどね……(笑)」


気が合うお二人

かつての後輩たちに慕われ

そんなオープンな錦織さんの元へは、自宅だけでなく事務所にもかつての後輩たちが訪ねてくるそうです。

「僕のところには来やすいんでしょうね。僕はいつでもオープンだしウェルカムです」

冒頭の「すごくラクにやれている」が端々から伝わってくる30分。放送作家として、錦織一清さんのトークを中心にした“おさんぽ”番組やラジオなどを企画したくなりました。

アラ還のイケオジ、錦織一清さんとパパイヤ鈴木さんのツアーは、11月7日の東京公演を皮切りに、仙台公演、福岡公演、名古屋公演、大阪公演、そして11月29日の札幌公演まで続きます。


(左)錦織一清さんと(右)パパイヤ鈴木さん