日本の会社従業員のメンタルヘルス問題―華字メディア
華字メディアの日本華僑報網はこのほど、日本の会社従業員のメンタル問題について論じる記事を掲載した。
記事は、「近年、世界で会社従業員のメンタルヘルス問題が話題になっているが、日本では特にこの問題が際立っている」と指摘。住友生命保険が実施したアンケート調査で、過去3年間に心の不調を訴える従業員が増えたとの回答が約4割に達したとの結果を紹介し、「このデータは日本の職場におけるメンタルヘルスの厳しさを明らかにしただけでなく、新型コロナの深い影響をも映し出している」とした。
そして、コロナの影響として「長期の在宅勤務は業務継続性を保障するものであるが、同僚間の対面交流の機会が失われ、孤独感や社会から隔絶した感覚を高める」と説明。「人間とは社会的な動物であり、感情的なコミュニケーションと社会的支援はメンタルヘルスを維持するために不可欠なものだ」とし、「職場は仕事上の任務を達成する場所であるだけでなく、人間関係の構築と社会的相互作用の重要なプラットフォームでもある」と論じた。
その上で、「こうした課題を受け、多くの日本企業がメンタルヘルスに関する支援体制を積極的に構築する動きを見せている」と言及。「ある調査によると、半数以上の企業がメンタルヘルスに関する外部相談窓口を設置しており、長時間労働やパワハラの是正・防止に努めている」とする一方、「こうした措置だけでは不十分」とも指摘し、「開放的で包摂的な企業文化を確立すること」「経営者自らメンタルヘルストレーニングを受け、社員に対してタイムリーかつ効果的な支援を提供すること」「定期的に教育と宣伝を行い、従業員のメンタルヘルス問題への認識を高めること」など、各方面からの対策を行うことが必要だと主張した。
また、政府も関連の政策を打ち出し、企業に対して優遇措置を講じるなどして、従業員のメンタルヘルス管理を奨励すべきと提案。SNSなども駆使し、社会全体でメンタルヘルス問題への関心を高め、支援への良好な雰囲気を形成することが重要との見方を示した。
記事は、「日本において心の問題を抱える従業員の増加はメンタルヘルス問題を重視すべきであると警告するサインである。企業は主体的に責任を負い、全面的なメンタルヘルスサポートシステムを構築する必要がある。また、政府や社会の各界も積極的に参加し、共にこれを推進していくことが必要だ」とし、「こうしてこそ、真に従業員と企業の共同発展を実現し、より健康で調和のとれた社会を構築することができるのである」と結んだ。(翻訳・編集/北田)