株価指数先物【寄り前】 狭いレンジでのスキャルピング中心のトレード
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39240 +140 (+0.35%)
TOPIX先物 2703.5 +8.5 (+0.31%)
シカゴ日経平均先物 39205 +105
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
16日の米国市場は、NYダウ、ナスダックが上昇した一方で、 S&P500は下落。朝方発表された9月の米小売売上高は前月比0.4%増と、市場予想(0.3%増程度)を上回った。また、米新規失業保険申請件数は24万1000件と前週から1万9000件減少し、予想(25万9000件)を下回った。米経済の大半を占める個人消費の伸びや労働市場の底堅さが示されたことが投資家心理を支えた。
また、台湾積体電路製造(TSMC) が発表した2024年7~9月期決算は市場予想を上回ったことで、ASMLホールディング の低調な決算をきっかけとした半導体株への不安が後退し、同株をはじめエヌビディア やマイクロン・テクノロジー 、ブロードコム などが買われた。S&P500業種別指数は保険、半導体・同製造装置、エネルギーが上昇した半面、運輸、ヘルスケア機器・サービス、耐久消費財・アパレルが下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比105円高の3万9205円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比80円高の3万9180円で始まり、その後は3万9170円~3万9330円辺りでの保ち合いが続くなか、一時3万9440円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は軟化し、米国市場の取引開始後には3万9130円まで上げ幅を縮めたがプラス圏をキープしており、3万9240円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになろう。TSMCの決算は織り込まれているが、米国市場で半導体株の一角が買われたことを受け、改めて材料視されそうである。また、ネットフリックス が発表した2024年7~9月期決算は予想を上回り、時間外取引で5%近く上昇していることも評価される。この流れを受け、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型を牽引することになりそうだ。
もっとも、本格化する企業決算を見極めたいところでもあり、積極的にポジションを傾けてくる動きは限られるだろう。日経225先物はナイトセッションで3万9100円辺りでの底堅さはみられたが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9460円)水準で上値を抑えられている。一方で、週足の+1σは3万9190円辺りで推移しており、同水準での底堅さを見極めつつ、日足の+1σを捉えることができるかが注目される。押し目狙いのロング対応による、狭いレンジでのスキャルピング中心のトレードになろう。
そのため、オプション権利行使価格の3万9250円を中心とした上下の権利行使価格3万9000円から3万9500円でのレンジを想定する。
なお、17日の米VIX指数は19.11(前日は19.58)に低下しており、連日で不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を下回った。25日移動平均線(18.43)、75日線(17.88)が支持線として意識されやすく、慎重姿勢は崩せないところである。ただし、連日で20.00を下回ったことで、ややリスク選好に向かわせよう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.50倍に低下した。前日比変わらずで始まったが、その後は値がさハイテク株の弱い値動きが重荷となるなか、一時14.45倍まで低下し、前日の安値(14.46倍)を下回る場面もみられた。また、昨日は金融や電力株などが買われ、TOPIX型優位の動きとなった。もっとも、直近の半導体株上昇におけるリバランスの動きと考えられ、再びNTロングに振れやすくなる可能性はあるとみておきたい。
株探ニュース