村瀬継蔵さん
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 『ゴジラ』『大怪獣ガメラ』『大魔神』シリーズなど、数々の特撮作品を手掛けた美術造形家・村瀬継蔵さんが、14日に非代償性肝硬変のため亡くなった。89歳だった。18日、村瀬さんが会長を務める有限会社ツエニーが発表した。

 村瀬さんは、1935年に北海道・池田町に生まれ、1958年には東宝の映画作品に参加。同年の『大怪獣バラン』から、『モスラ』(1961)、『キングコングゴジラ』(1962)、『マタンゴ』(1963)などの造形助手として活躍。その後独立し「超人バロム・1(ワン)」「ウルトラマンA」「人造人間キカイダー」などを手がける。昨今はCM映像や舞台造形・美術など幅広く活躍し、令和3年度文化庁映画賞の映画功労部門を受賞。今年3月には、第47回日本アカデミー賞にて、映画製作の現場を支えるスタッフの栄誉を讃える協会特別賞を受賞していた。

 ツエニーの発表によると、村瀬さんは2023年3月に肝性脳症を発症したものの、入院治療を受けて一時回復。しかし、今年7月に再度、肝性脳症を発症した。99日間の入院の末に最後は安らかに息を引き取ったという。告別式は今月中に近親者や関係者らによって執り行われる予定。

 1970年代に村瀬さんが香港・ショウブラザーズで書いた幻のプロットと企画書を基にしたファンタジー映画『カミノフデ 〜怪獣たちのいる島〜』では、初めて総監督を務め、今年7月から劇場公開。同作は一部劇場にて現在も公開中。7月に日比谷で開催された完成披露上映会は欠席したが、9月1日には地元・イオンシネマむさし村山での上映後舞台挨拶に車いすで登壇し、作品への思いを笑顔で語っていたという。(編集部・入倉功一)