近所に「4000万円台」の「新築分譲住宅」が建ちました。住んでいるのは「30代前後の若い夫婦」ばかりのようですが、どれくらいの収入があるのでしょうか…?

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自宅近くに新築住宅が建つと、その金額や購入者が気になるものです。おしゃれな新築分譲住宅の入居者の多くが、若い夫婦だった場合、どの程度の年収があれば購入できるだろうと考えてしまう人もいるでしょう。 そもそも、20代~30代の平均的な年収の夫婦でも、4000万円台の住宅を購入することはできるのでしょうか? そこで今回は、20代~30代の若い夫婦が4000万円台の新築分譲住宅を購入する場合に必要な年収について、実際に計算してみます。

4000万円台の分譲住宅を購入できる世帯年収の目安

住宅金融支援機構の「2023年度フラット35利用者調査」によると、住宅ローンの平均年収倍率(マイホーム購入額が世帯年収の何倍になるかを表した数字)は建売住宅の場合で世帯年収の6.6倍となっています。
例えば4000万円の分譲住宅をローンを組んで購入する場合、年収は4000万円÷6.6でおよそ606万円となる計算です。つまり、世帯年収がおよそ606万円あれば、4000万円の住宅を購入できることになります。
なお、手取り額は年収のおよそ75%~85%といわれているため、年収606万円の手取り額は、およそ454万5000円~515万1000円となります。
同様に5000万円の住宅で計算すると、必要な年収はおよそ758万円で、手取り額はおよそ568万5000円~644万3000円です。つまり4000万円台の住宅を購入する場合、必要な年収は606万円~758万円ほど、手取りは454万5000円~644万3000円ほどとなります。
 

20代~30代の平均年収

20代~30代は、4000万円台の住宅を購入できるほどの世帯収入があるのでしょうか?10人以上の企業規模の会社に勤務する20代~30代の平均年収を、令和5年賃金構造基本統計調査を基に計算したものが表1です。
表1

給与 賞与 年収 20歳~24歳 24万7700円 37万8900円 335万1300円 25歳~29歳 28万9800円 66万3100円 414万700円 30歳~34歳 31万9400円 80万2100円 463万4900円 35歳~39歳 34万9300円 93万8100円 512万9700円

※総務省統計局「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
4000万円台のローンを組むには、20代~30代の単身者では、資金が足りません。20代~30代では次のような場合に、4000万円台の住宅を購入できると考えられます。


・夫婦共に正社員で働く
・パート+正社員で共働き

 

理想の返済負担率は25%程度

20代~30代でローンを組んだ場合、月々の返済額はどの程度になるのでしょうか?一般的に住宅ローンの返済負担率は、25%程度が理想的だといわれています。「返済負担率」とは、収入に対する返済額の割合のことです。
例えば、4000万円台のローンを組むときに必要な手取り額454万5000円~644万3000円の返済負担率25%は、113万6250円~161万750円です。12ヶ月で割ると、およそ9万5000円~13万4000円ほどとなります。
しかし20代~30代といえば、子育てなどと重なる年代であり、年々子育てに必要な額が増えていきがちです。そのため、できる限り返済負担率をおさえることがポイントです。
 

世帯年収がおよそ600~750万円あれば4000万円台の家を購入できる可能性がある

30歳前後の若い年代でも、世帯年収がおよそ600~750万円あれば、4000万円台の家を購入できる可能性があります。20代~30代の一人の人の平均年収では購入は難しいかもしれませんが、夫婦共働きすることで、返済も可能でしょう。
とはいえ、家庭によって家族構成や月々必要な費用、ほかにローンがないかなど、現在の環境によって、支払える額は異なります。将来的なことも踏まえ、無理のない返済計画をする必要があるでしょう。
 

出典

住宅金融支援機構 2023年度 フラット35利用者調査Ⅰ調査結果の概要 7年収倍率(融資区分別)の推移(2013~2023年度)(12ページ)
総務省統計局 政府統計窓口 e-Stat 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業第分類 表番号1 年齢、階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー