コガネノソラとともにG1初勝利を目指す丹内

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 「秋華賞・G1」(13日、京都)

 古馬相手のクイーンSを制したコガネノソラが2強の牙城を崩す。オークスでは12着と大敗を喫したが、きっちり態勢を立て直し、夏の北海道で重賞初制覇を果たした。その前走からコンビを組むのが丹内祐次騎手(38)=美浦・フリー=だが、自身にとっても今回が初のG1勝利が懸かる一戦。強力な相棒とともに、最後の1冠をつかみ取る。

 あっと驚く激走があっても不思議ではない。コガネノソラは古馬相手のクイーンSで重賞初制覇。これが通算4勝目で、秋華賞出走馬の中で最多の勝ち星だ。クイーンS後は北海道のビッグレッドファーム明和にて放牧。この一戦を目標に、再び鍛え上げられてきた。

 レースにも騎乗する丹内が1週前追いにまたがってびっしりと追い、9日の追い切りもまたがった。輸送もあり当該週はソフトな調整で終えたが、鞍上は「前走の追い切りで感じをつかんで、(今週も)同じ動きで行ってくれた。(放牧で)そこまで変わった感じはないけど、道中はリラックスしていて、とてもいい感じ」とうなずく。

 04年3月に騎手デビューし、重賞初制覇は15年のマーチS(マイネルクロップ)と少し時間を要したが、22年に自己最高のJRA64勝を記録。今年はここまで59勝で、自己最高を更新する勢いだ。今回は自身にとってもG1初制覇のチャンス。「長くいい脚を使ってくれる」と相棒の長所を引き出し、悲願達成をかなえる。

 管理する菊沢師はクイーンSの内容に「1コーナーから外を回らされて厳しいと思ったけど、勝ち切ったあたりがすごいと思った」と手応えを感じている。春の牝馬クラシック上位組の力は認めつつ、丹内は「たくさん強い馬はいるけど、うまく乗りたい」と力を込める。タフなレースでこそ、持久力は強力な武器となる。悲願達成へ、4勝馬の力を信じて乗る。