斎藤瞭を相手にこの日初のKO勝ちを飾った宇野楓麻

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 「ボクシング・第81回東日本新人王トーナメント準決勝4回戦」(19日、後楽園ホール)

 フライ級では、この日の最年長である36歳の宇野楓麻(花形)が、10歳下の斎藤瞭(KG大和)を相手に、この日初のKO勝ちを飾った。

 2回に「カツンという感じ」で入った得意の右で最初のダウンを奪い、「立ってきたので焦りがあった。必死に倒しにいった」と、右でダウンを追加。「ここで倒しにいかなきゃ」というラッシュでレフェリーが試合を止め、2回1分49秒、TKO勝ちを収めた。

 普段はIT企業の営業マンで、この日も社長以下が応援に駆けつけており、トランクスにも勤務先の広告が入っている会社公認ボクサー。32歳でデビューした時は「せっかくなので1試合やりたい」と思ってのことだったが、「気持ちが続く限りやりたい」と心境が変化した。

 「決勝も負けるつもりはない。優勝して12月の全日本でも優勝したい」と優勝宣言しつつ、「年齢もあるので高望みせず、目先の試合を確実に勝っていってタイトル戦に行ければ」と、堅実に目標を語っていた。

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 スーパーバンタム級では、この日唯一の10代である19歳の阿部一力(大橋)が橋場大樹(宮田)と対戦した。終始積極的に出てペースを渡さず、2−0の判定をものにしたが、「勝ち方があまり良くなかった」と反省。「今年は全日本優勝が目標でやっているので、今日勝ったからといって満足しない。どの試合でも満足したら成長が止まってしまう」と自分に厳しく語った。

 決勝は11月3日だが、前日の11月2日で20歳になる。阿部は「1日も無駄にしたくない」と20代の抱負を述べ、「計量の日が誕生日で、ボクシングができて幸せだなと思います。小学校1年生からやっているので、周りの方に感謝したい」と、大橋秀行会長やトレーナー、応援してくれている人々に感謝していた。