「i☆Risヤバいんじゃない?」って思われてるのは逆にチャンス。5人で今まではやっていなかった曲にも挑戦できる。まさにそれが実現した数年間でした。5人になってからのほうが、自分の好みの曲が多いくらいです。

ただ、人数が変わってフォーメーションが変わるのはしんどかったかも。ゼロから新しい曲を覚えるより、今まで身体に染み付いていたフォーメーションがちょっとだけ変わる方が難しいんですよ。

加えてシングルの収録やMV撮影、ツアーがドドッと重なった時期はさすがにキツかった……。「Summer Dude」を出した時期は、短時間で振り覚えして撮影、さらにツアーのフリ入れも重なる、みたいな状況で。

特に印象に残ってるのは、「Cheer up」のMV撮影かな。i☆Risだけじゃなくて、それぞれの仕事とか、いろいろなことが重なったタイミングだったのか、ほぼみんなが泣いてました。私も首を痛めたり、いろいろありましたね(笑)。

◆求められてるうちはずっとアイドルでいたい

――周りのメンバーたちについて、12年前と比べて変化を感じることはありますか?

みんな根っこの部分は大事にしつつ、協調性が芽生えてきてると思います。私も昔は協調性が大事だと思ってたんですけど、振り返ってみると、我が強いメンバーがいてくれてよかったとも思うんです。

周りに合わせてるだけでは良くない業界だし、スタッフさんにちゃんと挨拶したり、「仕事くださいよ〜」ってぐいぐい話しかけたりしてくれて。私にはそんなことできない。メンバーへの有難みを、年々強く感じるようになってますね。

――11月4日には「i☆Ris 12th Anniversary Live ‐ 初☆アリーナMM(マジみて)」も開催されます。あらためて今後の展望についてお聞きします。劇場版の終わり方がきれいだったので、活動がいつまで続くのかと不安なファンもいるかと思いますが……。

ぴあアリーナのライブのあとに急に解散発表をする予定はないです(笑)。いや、ないって言い切っちゃうのは良くないか。なにがあるかわからないから、絶対に見に来たほうがいいよ? と言っておきます(笑)。

ただ、去年の暮れに劇場版アニメ『i☆Ris the Movie - Full Energy!! -』のアフレコをして、私は次の10年で何をしたいんだろう……ってずっと考えてます。今の仕事は楽しいけど、永遠に続くわけではないから。でも、みんなが続けたいなら、私はいつまでも続けますけど? という気持ちではいますね。

◆有終の美を飾るまでは終われない

――そのあたりの感覚は、メンバー同士で共有されているのでしょうか。

みんなで話すわけではないけど、超完全燃焼してから終わりたい、有終の美を飾るまでは追われないって意識は一致してると思います。

だからその意識が一致してるうち、ファンのみんなが応援してくれてるうちは、まだまだ続けたいですね。冗談みたいに「いくつになってもずっとアイドル!」って言うこともあるんですけど、自分のなかで求められてるうちは続けたいって気持ちが強くて、逆にいえば、求められなくなったら続けないと思います。

もうダメかもってときに、もらったファンレターを読み返して、X(旧Twitter)を見たりして、いつも元気をもらってます。みんなありがとう!

――ぴあアリーナは、上を目指すという目標にぴったりの大きな会場です。

ちょっと前に会場の下見に行ったんですけど、めちゃ広くてあの客席が全部ファンで埋まったらヤバいなって思いました。12年目にして最大規模のワンマンライブ、ぜひみんな見に来てください!

【山北早紀】
1991年、北海道生まれ。山北早紀、芹澤 優、茜屋日海夏、若井友希、久保田未夢の5人からなる声優アイドルユニット「i☆Ris」のリーダー。美容オタクで化粧品検定1級を持つ。初の実写映画『Live & Documentary Movie 〜i☆Ris on STAGE〜』が公開中。そして、11月4日(月祝)にはi☆Ris史上最大規模となる、ぴあアリーナMMにて「i☆Ris 12th Anniversary Liveー 初☆アリーナMM(マジみて) ー」の開催が決定している

<撮影/尾藤能暢 取材・文/森 ユースケ ヘアメイク/門口明加 スタイリング/津野真吾(impiger) >