ヤングなでしこがU-20W杯準決勝へ進出 宿敵撃破…オランダとの準決勝へ「優勝を目指している」
準決勝でスペインを下す
ヤングなでしこの愛称を持つU-20女子日本代表は、現地時間9月15日にコロンビアのメデジンでU-20女子ワールドカップ(W杯)準々決勝スペイン戦に臨み、延長戦の末に1-0の勝利を飾った。
互いにベスト16までを全勝してきた両チームは、2018年と22年の大会では決勝で激突。18年は日本、22年はスペインが制した間柄で、このベスト8での激突になった。日本はグループリーグから標高約2600メートルの首都ボゴタで戦ってきたが、この日の会場は約1000メートル下ったメデジンとなった。
日本は前半からダブルボランチのうちMF大山愛笑を最終ラインに降ろし、MF小山史乃観と縦関係を作ってスペインに対して数的優位を確保しながらボールを前進させた。ボール保持率では多少劣ったものの、良い形での攻撃は日本の方が多い展開で互角以上に渡り合った。
後半に入りスペインがハイプレスに出た時間帯で日本は苦しい状態になり、FWルシア・コラレスのシュートがゴールポストに当たる大ピンチもあった。一方でMF松永未夢やFW松窪真心が際どいシュートを放つ場面もあり、両者譲らず0-0のまま試合は延長戦へと突入した。
そして延長前半12分、日本は左サイドの浅い位置でフリーキックを得ると大山が長いボールをゴール前へ。そこに攻撃参加したセンターバック(CB)のDF米田博美が相手と競り合いながらバックヘッドでコースを変えると、ボールはゴールに吸い込まれ日本に待望の先制点が生まれた。延長後半に入るとスペインが前に人数を掛けて圧力を掛けてきたが、最後は日本が耐え抜いて1-0の逃げ切り勝ちを手にした。
狩野倫久監督は「本当にタフなゲームで、選手は中2日で様々なことを想定していた。延長も含め、良い準備をしてきた。まずはコンディションを整え、次に備えたい。選手はこの大会の大きな目標として心を動かすようなゲームをしようと、優勝を目指している」と話した。
また、決勝ゴールの米田は「とにかく勝てて嬉しい。前線のみんなが走ってくれて、後ろは120分を通して集中して守れた。ここから次の試合が始まっていると思うので切り替えて、応援している人の思いも背負って全員で戦いたい」と喜びを語った。
この世代の女子W杯では4大会連続の進出となった準決勝では、開催国コロンビアをPK戦の末に破ったオランダとの対戦が決定。欧州の強豪との連戦になるが、2大会ぶりの優勝への戦いが期待される。(FOOTBALL ZONE編集部)