巨人優勝なら誰がMVP? “最有力”は29歳名手、35歳右腕や28歳主砲も…貢献度から占う
貢献度を表す指標「WAR」で占う…巨人で最高数値は吉川の3.5
2024年のプロ野球もいよいよ佳境。セ・リーグは巨人が4年ぶり優勝へひた走り広島、阪神が追う展開になっている。では、現時点で今年のシーズンMVPは誰が有力なのだろうか。打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標「WAR」の観点から検証してみる。(成績、数値は全て11日終了時点)
セイバーメトリクスの指標などを用いてプロ野球の分析を行う株式会社DELTAのデータを参照。まず、首位を走る巨人の選手を検証する。野手では吉川尚輝内野手が3.5でトップ。8年目の今季は打率.280をマークし、二塁の守備でも、守備全般の貢献を表す「UZR」で断トツの6.5を記録している。
続くのは不動の4番・岡本和真内野手で3.4。打点部門でリーグ1位を走る。投手では菅野智之投手が2.5でチームトップ。14勝はリーグ1位で、防御率1.60も4位。35歳右腕2014、2020年に続く3度目MVPの可能性も十分にありそうだ。戸郷翔征投手は2.1だ。
2位・広島は、野手では矢野雅哉内野手が3.4でチームトップ。4年目25歳は持ち前の守備力を生かして大ブレーク。遊撃で「UZR」13.7は12球団1位だ。投手では10勝をあげている森下暢仁投手が2.1でチームトップになっている。
3位・阪神の野手では近本光司外野手が4.7でチームトップ。145安打はリーグ1位で今季もチームを牽引している。投手では才木浩人投手が3.2。セ・リーグ投手の中で2位に位置する。
とはいえ、セ6球団の中でトップの数値を得ているのは上位3球団の選手ではない。野手ではDeNAのタイラー・オースティン内野手が規定打席未達ながら4.7。近本を僅差で押さえて1位にいる。投手では防御率トップの中日22歳・高橋宏斗投手が3.7で1位だ。
メジャーとは異なり、日本のプロ野球ではリーグ優勝球団からMVPが選出されることが多い。近年で異なったのは2013年で、ヤクルトのウラディミール・外野手が選ばれた。果たしてどんな結果になるだろうか。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1〜3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。