「父から譲り受けたグラブを直して」全国から修理が殺到する山間の工房が話題
全国から野球に使うグラブの修理依頼が殺到する工房「やまもとベース」が話題です。インスタグラムを見ると、使い古され傷んだグラブがツヤツヤに蘇り、カラフルな革紐に付け替えられるなど、オリジナルのアレンジが。
工房があるのは三重県松阪市飯南町。自然に囲まれた山間の工房に、なぜ全国から修理依頼が来るのでしょうか。やまもとベースの一員、山本章太さんに話を聞いた。
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――人気の理由は?
山本:少しでもお客様に寄り添えるよう、手軽な価格帯で修理を提供したいという思いで工房を始めました。全国には「近所にスポーツ店がない」、「スポーツ店があっても修理対応をしていない」という方も沢山いらっしゃると聞いたので、SNSで、修理でどれだけ変わるか、ビフォー・アフターを載せたところ、依頼が増えました。
――買い替えではなく、修理をして使い続けることのメリットは?
山本:経済的な負担が軽いことが一番ですが、自分の手に馴染んだグラブはやはり新しいグラブよりも使いやすいのでは。あとは、道具を手入れして大切に使うことで、選手としての心構えも違ってくるように思います。
――これまで印象深かったお客様は?
山本:自分が現役時代に使っていたグラブを修理して、息子さんに託されていたお客様がいらっしゃいました。亡くなられたお父さんに子どもの頃買ってもらったグラブの修理や、高校時代におばあちゃんから買ってもらったグラブを修理など、家族との繋がりを象徴するようなグラブの修理は、特に記憶に残ります。
――グラブ修理にかける思いをお聞かせください。
山本:グラブ修理と言えば 「やまもとベース」と言われるように、日本一のグラブ修理工房になることです。そこから、野球人口の減少を少しでも緩和できればとも思っています。
修理だけでなく、修理を極めた職人が製作する野球用品ブランド「遊」ではグラブはもちろんバットなども販売しています。低価格で高品質な野球用品を全国の球児に届けたいと思っています。将来的には、地元の名産品である松阪牛の革を使用してグラブを製作する計画です。
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山本さん自身も元高校球児で県大会準優勝の経験が。他の職人も中日ドラゴンズで活躍中の加藤匠馬捕手の元チームメイトなど、野球経験者ばかり。野球を愛する気持ちの強さが工房の人気の秘密なのだろう。
(よろず~ニュース特約・ゆきほ)