小学館ノンフィクション大賞『力道山未亡人』、細田昌志の執筆を後押ししたのは安部譲二?
大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、8月14日の放送に作家の細田昌志が登場。第30回小学館ノンフィクション大賞を受賞した著書『力道山未亡人』を書くに至るまでの経緯を語った。
大竹まこと「今回の御本は『力道山未亡人』。帯に“遺された負債は30億円”」
細田昌志「仰々しく。書けばいいというものではない(笑)」
大竹「小学館ノンフィクション大賞を受賞、すごい」
細田「去年の暮れだったんですよ。12月19日か、発表の日で。半年ぐらい経って、ブラッシュアップしたり、誤謬も削ったりしながら5月末に刊行したという」
大竹「力道山が亡くなって60年も経つわけです。なぜお書きになろうと?」
細田「前作で『沢村忠に真空を飛ばせた男』という、ぶ厚い本を出させていただいたんです。そのとき取材先で安部譲二さんにお目にかかりまして」
大竹「安部譲二さんは『塀の中の懲りない面々』の(著者)」
細田「あの作品は200万部売れたんですから、すごい。その安部先生が『次、何書くの?』とおっしゃって。PL学園の清原、桑田のものとかを書こうと思っています、と申したら、あまり関心を示されず。『ケイコさんを書きなよ』とおっしゃるんです。ケイコさんって誰ですかと聞いたら、(『力道山未亡人』の)主人公の田中敬子さんだと。安部先生は日本航空の社員、パーサーだった時代がある。『じつは同期なんだ』と
大竹「はい」
細田「『彼女の人生を知りたい』『同期だから聞けないこともあるんだ』みたいにおっしゃるんですよ。代わりに書け、と」
大竹「当時の言葉でいうとスチュワーデスですか?」
細田「スチュワーデスとスチュワート、あとパーサーですかね。当時、敬子さんは19歳で入社しているんですよ。3年ぐらい在籍されて力道山に見初められて21歳で結婚している。安部先生はそのあとも4年ぐらいいらしたらしいんですけど」
大竹「『これを書いてみなよ』となった理由は?」
細田「紹介するよ、とおっしゃったんです。なぜかといえば力道山が亡くなったとき、敬子さんは22歳で未亡人になっているんですよ。なんで再婚しなかったんだろうね、と。僕も確かにそうだな、と思ったんです。60年間ずっと独り身で」
大竹「21で結婚して、結婚生活は……」
細田「半年ぐらいなんです。『世紀の大結婚』といって1700人を呼んで披露宴をして。6ヶ月後に力道山は亡くなっている。半年でいきなり独りになって、こんな人生は確かにないな、と思って」
大竹「それは気になりますね」
このあとは力道山の生涯、田中敬子の近況などについても詳しく語られた。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。