息子に「iPhone」を買い与えようと思うのですが、「ネット詐欺」が心配です。どんなものに気をつけるべきでしょうか?
スマホ詐欺の手口
スマホ詐欺には、さまざまな手口があります。代表的なものとして、以下が挙げられます。
フィッシング詐欺・スミッシング詐欺
有名企業を装った犯人がメールやSMSを送信し、IDやパスワードなどの個人情報を盗み出す詐欺行為です。フィッシング詐欺の件数は2023年10月で15万6804 件です。2023 年 9 月と比較すると 3万9771 件増加しています。
ワンクリック詐欺
リンクをクリックしただけで意図しない入会を強制され、入会金や退会金を要求される詐欺です。リンクには「会員登録する」などの明示的な文言がないため、ユーザーは自分の意志とは無関係に登録させられることがあります。
ゼロクリック詐欺
利用者がクリックをしなくても、自動的にサービスに入会させられる手口の詐欺です。例えば、ポップアップ画面が連続して表示されて閉じることができない、または消してもすぐに新しいポップアップが出るなどの方法が使われることがあります。
当選詐欺
嘘の当選メールを送り、景品の送り先を記入するリンクに誘導します。リンク先では住所・氏名・クレジットカード番号などの入力が求められますが、入力しても景品は届くことはなく、個人情報を窃取されます。
サポート詐欺
サイトの閲覧中に「ウイルスに感染しました。 今すぐ対策を行ってください」といった警告が表示されることがあります。被害者の危険をあおり、ウイルス対策アプリのインストールや有料のサービスに申し込みさせます。
子どものスマホ利用率
こども家庭庁による令和5年度 青少年のインターネット利用環境実態調査において、年齢別スマホ保有率は表1の通りです。
表1
こども家庭庁「令和5年度 青少年のインターネット利用環境実態調査調査結果」年齢別スマートフォン機器の専用率を基に筆者作成
小学校低学年の段階ではスマホの保有率は比較的低いですが、年齢が上がるにつれて急速に増加しています。13歳になると91.9%に達し、15歳では97.0%、17歳では99.3%と、ほぼ全員がスマホを持っている状況です。
この結果から、中学生以降ではスマホが生活の一部として完全に定着していることがわかります。年齢が上がるにつれてスマホの普及率が高くなることから、小学生のうちから適切なインターネットの使い方を教え、トラブルを未然に防ぐための指導が必要です。
子どもがスマホ詐欺の被害に遭わないための3つのポイント
ネットの危険から子供を守るために保護者ができる3つのポイントを紹介します。
ペアレンタルコントロールを活用する
ペアレンタルコントロールとは、子供のスマホやタブレットの使用状況を保護者が管理するための機能です。保護者は子供の使用時間や使用アプリを確認し、制限をかけることができます。例えば、ゲームのプレイ時間を設定したり、課金を制限したりすることが可能です。
フィルタリングを利用する
フィルタリング機能を利用すると、子供が不適切な情報にアクセスすることを防げます。アダルトサイトや出会い系サイト、暴力的なコンテンツなどを自動的にブロックします。
スマホの各キャリアでは、18歳未満の子供向けにフィルタリングサービスを提供しており、年齢に応じたレベル設定が可能です。個別にサイトやSNSの利用を設定することもできるため、賢く活用して子供の安全を守りましょう。
家庭のルール作り
インターネットの利用に関する家庭のルールを子供と一緒に作りましょう。実社会でのマナーと同じように、インターネット上でも守るべきルールがあります。子供と話し合いながら、利用時間や場所、目的を決めることが大切です。ルールは子供の成長に合わせて見直し、必要に応じて更新しましょう。
安心してスマホを使わせるためには保護者が具体的な対策を講じることが重要
スマホの普及が進む中、子どもが安全にインターネットを利用するためには、保護者の適切な監視と指導が不可欠です。ペアレンタルコントロールやフィルタリング機能の活用、家庭内ルールの設定を通じて、子どもをネット詐欺から守りましょう。
出典
フィッシング対策協議会 フィッシング報告状況
こども家庭庁 令和5年度 青少年のインターネット利用環境実態調査調査結果
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー