平野莉玖、母親からは礼儀やあいさつに厳しく育てられた【インタビュー】
平野莉玖がTBSで放送中のドラマストリーム「さっちゃん、僕は。」に出演中だ。本作では大学進学のために地方から上京した主人公・片桐京介(木村慧人)が、地元に残してきた彼女・早智(中山ひなの)と、隣に住む人妻・紫乃(石川恋)の間で揺れ動く純愛と破滅のストーリーが描かれ、その過激な内容がSNS上で話題になっている。
平野は小学生の頃から兄の平野紫耀と共にダンスユニットで活動をはじめ、ラッパーとして活躍。中学卒業後は活動を一時休止したが、現在はRIKU名義でアーティスト活動を行うほか、代表取締役社長としてアパレルブランドを運営。俳優として来年公開予定の映画『SENTIENT GAME』で映画初主演を務めるなど、活動の幅を広げている。
ドラマ初出演となる本作では、京介の大学の友人・文也役を好演している平野。ドラマ初挑戦の感想や後半戦の見どころ、学生時代の思い出や今ハマっていること、今後の芸能活動の目標などを聞いた。
−まずは、本作のオファーを受けたときのお気持ちと、実際に演技に挑戦した感想を教えてください。
お話をいただいたときは、すごくワクワクしましたし、しっかり演じ切れるように頑張りたいと思いました。本格的なお芝居は今回が初めてだったので演技は難しかったのですが、監督が自然なお芝居を引き出してくださる方で。文也は僕自身に似ている部分もたくさんあったので、自然にお芝居ができたかなと思います。
−文也役をどのようなキャラクターと捉えて演じましたか。平野さんに似ていると思うポイントも教えてください。
文也は明るくて友達との付き合いが良く、クラスのムードメーカーのような存在ですが、恋愛はまだあまり経験したことがないかわいらしい一面もあるキャラクターです。僕もポジティブで明るい人間なので、普段の僕に近いナチュラルな雰囲気で演じることができました。
−撮影は終わられたそうですが、大学のメンバーとの撮影現場はどんな雰囲気でしたか。
本当の大学の友達同士のように皆仲が良くて、好きなアニメの話をしたり、おいしいご飯屋さんの話をしたり、お芝居の話も、くだらない話もして、和気あいあいとした楽しい現場でした。皆が友達のように接してくれたので、すごく仲良くなれました。
−劇中では、紫乃の夫が不審な行動を取ったり、さっちゃんも不穏な雰囲気がありますが、今後の展開の見どころも教えてください。
今の段階ではいろいろな伏線が張られているのですが、後半に行くに連れて伏線回収されいろいろなことが分かってくるので、謎解きのような楽しさもある作品になっています。急ピッチで展開が進んでいって、今後もすごいことが起こりますし、僕が演じる文也も最終的にそうなるんだ! という驚きの展開が待っています。
−視聴者の中では“さっちゃん派”か“紫乃派”かという議論もありますが、平野さんはどちら派ですか? 明るく献身的な性格のさっちゃんと、どこか冷めた印象ではかなくミステリアスな紫乃、どちらにひかれますか?
どっち派なんだろう…難しいですが、さっちゃん派ですかね。僕は遠距離恋愛や、この作品のような恋愛をしたことがないので何とも言えないのですが、明るい方が好きですし、ミステリアスな感じの人は、どう接していいのか分からないと思います(笑)。
−平野さんの好みのタイプはどんな方ですか。
とくに“こういう人”というタイプはないですし、ストライクゾーンは広いのですが、最低条件はあいさつができる人です。あいさつや礼儀がしっかりしている人にひかれます。
−ご家庭でも礼儀やあいさつは厳しく育てられたのでしょうか。
“対人”に関することは昔から母親や家族に厳しく言われましたし、勉強というよりは「礼儀やあいさつをきちんとしなさい」というのは言われて育ちました。
−劇中では学生ライフが描かれていますが、平野さん自身はどんな学生でしたか?
勉強は全くしなかったのですが、体を動かすことが大好きでバスケや格闘技に熱中していました。いろんなことに興味を持ってすぐに行動に移すタイプだったので、親を振り回してしまったなと思いますが、そのポテンシャルのおかげもあって、今の活動がやれているのかなと思います。ダンスは年長から中学生までやっていたのですが、高校3年間は普通の学生生活を送ってみたいなと思って、ダンスや歌などのエンターテインメントの世界から一度離れて、普通の学生ライフを過ごしました。
−それまではお仕事が忙しくて、学校に行けないこともあったのでしょうか。
小中学校の頃は、いろいろな所でライブをしたり、ダンスのイベントやコンテストに出場していたので、学校を休んだり、早退することが多くて。当時はラップをやっている子があまりいなかったので、友達とも話が合わなくなってきてしまって、一度普通の学生生活を送ってみたいと思いました。普通の高校生活はすごく楽しかったのですが、僕はやっぱり人を楽しませて生きていきたいなと思うようになって、それが活動を再開するきっかけになりました。
−お話を伺う限り、運動神経は抜群だと思いますが、得意科目は?
体育と音楽と図工が好きでした。図工は指先の細かい作業は苦手なのですが、熱中してやっている時間が好きで。国語と算数は大嫌いで、とくに算数は割り算までしか分かりませんが…(笑)。今はアパレルの経営もやっているので、計算や簿記の勉強はもっとしておけばよかったなと少し後悔しています。
−平野さんは、自分のことをどんな性格だと思いますか。平野さんならではの魅力やチャームポイントを教えてください。
好奇心旺盛で人懐っこい性格なので、何でも怖がらずにやってみる行動第一な部分は、自分の中でいいところかなと思っています。10代の子の話を聞いたりすると、一歩踏み出せないと悩んでいる子もいるのですが、僕は悩むよりも先に動いてしまうタイプなので、今までほとんど悩んだことがなくて。もちろん失敗したこともありますが、やって悔いがない生き方をする性格なので、そういうところは自分で気に入っています。人懐っこいというのはいろんな人から言われるのですが、人と話すのが好きで、自分から話し掛けるので、そういう部分が人懐っこいといわれるのかなと思います。
−ポジティブで行動派な部分は、子どもの頃からの性格なのでしょうか。
はい、子どもの頃はさらにストッパーがなくて、騒がしい子どもだったので、いろんなところで怒られていました。じっとしていられない子だったので、母にも「落ち着きがない」「ちょっと座っとれ!」とよく怒られていました(笑)。
−最近プライベートの時間にハマっていることや趣味でやっていることはありますか。
車やバイクなどの乗り物が好きなので、プライベートの時間は1人でドライブに行ったり、バイクに乗ったりしています。体を動かすことは好きなのですが、休みの日はガツガツ活動するというよりは、ドライブで海に行ったりして過ごします。
−本作では、木村さんが演じる主人公は“愛を知らない”役どころですが、平野さんがこれがないと生きていけないという“愛してやまないもの”は?
今、人生の中で関わっている人たちです。人が大好きなので、家族や友達はもちろん、自分の会社のスタッフの人たちも、今すごく支えてくださっているので。1人でどれだけ頑張っても、皆さんがないと生きていけないなと思います。
−今後は芸能界でどんなことやっていきたいですか。
お芝居はいつかやってみたいと思っていたことだったので、今後も役者として、いろんな役を演じてみたい思いはあります。アーティストとしても昨年CDデビューをさせていただいて音楽配信を進めているので、今後もより多くの人の背中を押せるような曲を作っていきたいです。いつかは海外での活動もしたいという願望はありますが、今はまだ夢のまた夢なので、日本でもっと頑張ってからだなと思っています。
(取材・文・写真/小宮山あきの)