主演・大泉洋×脚本・宮藤官九郎！山田太一原作『終りに見た街』3度目のドラマ化決定

2024年7月30日 10時20分

■令和の時代を生きる家族が、昭和19年6月にタイムスリップ！「僕たちが戦争に対してどう考えていくのか、改めて突きつけられる部分があるなと思います」（大泉洋）

大泉洋が宮藤官九郎脚本作品に初出演する、テレビ朝日開局65周年記念ドラマプレミアム『終りに見た街』が、9月に放送されることが決定した。

昭和16年12月8日、かの戦争を始めた日からもう80年が経つ。語り継がれる戦争の悲惨さ――。しかし世界では戦争は止むことなく、またあらたな戦争が始まっている。

『終りに見た街』の原作は、存在感のある人間を描く、テレビ脚本家としての第一人者である山田太一の同名作品。戦争体験者のひとりとして厳しい体験を次世代に伝えることをテーマに脚本執筆された本作。1982年と2005年に2度テレビ朝日で山田太一自らの執筆でドラマ化され、その内容性の深さと、メッセージ性の強さで、大きな反響を呼んだ。

そしてこのたび、終戦80年を目前に、約20年の時を経て3度目のドラマ化が実現。

宮藤官九郎が脚本をつとめる作品に初出演となり、さらにテレビ朝日初主演でもある人気実力派俳優・大泉洋を主演に迎え、同じ脚本家として山田太一を尊敬し、ファンであることを公言してきた宮藤官九郎が脚本を執筆。戦時下に置かれた家族を描く山田太一珠玉のホームドラマが、大泉洋×宮藤官九郎初のタッグにより、令和版としてリブートされる。

■現代に生まれたふたつの家族が、昭和19年6月にタイムスリップ！
脚本家、小説家として一時代を築き、ホームドラマの名手として家族をはじめ人間模様を丁寧に紡ぐ山田太一の作品の中でも異彩を放つ本作。1982年放送時には細川俊之が、2005年には中井貴一が主演を務め、1982年、2005年というそれぞれの時代に生きる主人公家族が昭和19年にタイムスリップし、戦時下を生き抜く姿が描かれてきた。

そして3度目となる今回は、令和の時代に東京郊外で何不自由なくありふれた日常を暮らすテレビ脚本家・田宮太一（大泉洋）の一家が、ある日突然、太平洋戦争まっただ中の昭和19年6月にタイムスリップ。そこはビルもショッピングセンターもなければ携帯も通じず、食料を入手することも困難な世界。令和とのあまりの違いに狼狽える太一や家族だが、彼らは戦時下の衝撃の現実を目の当たりに…。そんな過酷な戦場下で、太一たち一家は、同じく過去の世界に迷い込んだ、太一の父の戦友の甥・小島敏夫とその息子と共に、太平洋戦争の時代をなんとか生き延びようとする。

令和を生きる2つの家族は、昭和19年という時代をどう生き抜くのか？　そして衝撃的な結末とは――。

■大泉洋、原作・山田太一×脚本・宮藤官九郎作品への参加に意欲
令和から昭和19年にタイムスリップし、家族と共に翻ろうされる主人公・田宮太一を演じるのは、ドラマ、映画で縦横無尽の活躍を見せ、4度受賞した日本アカデミー賞優秀主演男優賞をはじめ、数々の受賞歴を誇る大泉洋。幾多の作品で活躍する大泉が、満を持してテレビ朝日のドラマ初出演にし初主演を務める。

大泉が演じる太一は、宮田一太郎のペンネームでテレビドラマを手掛ける脚本家。代表作はないものの、20年細々と脚本家として続いている“パッとしない”主人公。家庭では、パートに夢中な妻、思春期の娘、やや反抗期の息子、そして認知症の症状が見られるもすこぶる元気な母との5人暮らし。家族からは疎まれがちだが、それでもごく普通に平穏な日常を暮らしていた。そんな太一たち一家が、ある日突然、昭和19年6月にタイムスリップ。太一をはじめ一家は、現代では見えなかった姿をさらけ出していくことになる。

令和版としてあらたに生まれ変わる『終りに見た街』に挑むことになった大泉は、かねてより「宮藤さん脚本ドラマに出たいなという思いもあったので、単純に嬉しかった」ことを明かし、さらに「山田太一さんの原作を宮藤さんが脚本にするという、天才同士のコラボとなる作品だったので、どんな作品になるんだろうと楽しみでした」とコメント。それと同時に、令和の今、この作品を届けることに、「戦争というものをもっとリアルに考えなくてはいけない時代の中で、この作品を通して僕たちが戦争に対してどう考えていくのかということを、改めて突きつけられる部分がある」と語る。そんな「戦争に対して考えさせられるドラマ」に全身全霊で挑んだ大泉の姿に注目だ。

■「脚本家が主人公ということで、他人事とは思えなかった」（宮藤官九郎）
山田太一が40年前に書いた伝説の衝撃作を、令和に時代を移し、あらたに誕生させたのが、脚本家・宮藤官九郎。

同じ脚本家として山田太一を尊敬し、ファンを公言する宮藤は本作に対し「脚本家が主人公ということで、他人事とは思えなかった」とのこと。さらに「主人公の設定は等身大なのに、物語はファンタジーというのが、山田先生らしいなと感服しました」と改めて山田作品のすごさを実感したと語る。そんな宮藤が挑んだ本作の脚本は、「山田先生の原作の力をお借りして、またあらたな作風を手に入れたんじゃないかと手応えを感じています」と話しており、「いつもと違います」と宮藤にとっての新境地となったことを明かした。

主人公を取り巻く家族、共に昭和にタイムスリップする親子をはじめ、本作には豪華キャストが集結。続報にも注目だ。