サイバー攻撃による流出情報元に「突撃取材するのはやめて」 ニコニコ運営代表が新聞社に警告、記者名も把握
ドワンゴ(東京都中央区)の取締役 COOで動画投稿や生配信のサービス「ニコニコ」の運営代表を務める栗田穣崇氏が、2024年7月18日にXで、ある新聞社に対して「経営層でもない、いちエンジニア」の自宅への突撃取材を辞めるよう呼びかけた。
「今後も続くようであれば社名を公開します」
ドワンゴを含むKADOKAWAグループは、6月8日に「ブラックスーツ」を名乗るハッカー集団によるランサムウェア攻撃を受け、複数のウェブサイトが利用できない状況が続く。さらに、KADOKAWAグループの発表によると、ブラックスーツは同グループが保有する社内外の一部個人情報や契約書情報を漏えいしたと主張。インターネット掲示板などに漏えいしたとみられる情報が拡散されており、KADOKAWAグループは削除を進めているほか、悪質性の高い情報拡散者に対し、法的措置の準備を進めていると説明している。
栗田氏はXで、「どこの新聞社とは言いませんが、今回のサイバー攻撃による流出で得た住所情報を元に、経営層でもない、いちエンジニアの自宅に突撃取材するのはやめていただきたいと思います」と注意喚起。栗田氏の書き込みによると、、こうした事例を複数確認しているという。
さらに、「今後も続くようであれば社名を公開します」と警告した。
「違法ではないため法的措置を取ることはできません」
続く投稿では、「最初に報告を受けた時はさすがに虚偽だと思ったのですが」としつつ、「社員が撮影したインターホンの画像から社名および記者名まで把握しています」と明かした。
また、この注意喚起の理由について、「『放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(報道を業として行う個人を含む。) 報道の用に供する目的』だと個人情報保護法の適用除外になり、違法ではないため法的措置を取ることはできません」とし、「あくまで報道のモラルの問題ですので、こうしてお願いしているわけです」と説明した。