「葛根湯」が向いている人の特徴をご存知ですか? 向いてない人も併せて薬剤師が解説

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皆さんは風邪薬を選ぶ際、何か見ている項目はありますか? 薬には「合う・合わない」といった個人差があり、それは漢方薬でも例外ではありません。そこで今回は、風邪薬の代表的な漢方である「葛根湯」が向いている人の特徴について、薬剤師の高野さんを取材しました。

※この記事はMedical DOCにて【葛根湯の効果を薬剤師が解説!効き目・効能は風邪症状以外にも】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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監修薬剤師:
高野 裕美(薬剤師)

薬学修士。大学院卒業後、大学病院勤務。その後、調剤薬局に勤務。働きながら結婚・出産を経験。より多くの人に医療情報を発信したいとの思いから、2022年より医療系Webライターとして活動中。

編集部

漢方は体質によって合う・合わないがあると聞いたことがあります。葛根湯を飲むべき人の特徴はありますか?

高野さん

おっしゃる通りで、多くの漢方はその人の体質や症状に合ったものでないと十分に効果を発揮することができません。葛根湯の場合には、体力や抵抗力が充実している”実証(じっしょう)”の人に向く薬です。高齢で体力のない人や、胃腸が弱くてすぐにお腹をこわすような”虚証(きょしょう)”の人には向きませんので、気をつけてください。ちなみに虚証の人の風邪のひきはじめには、桂枝湯(ケイシトウ)や香蘇散(コウソサン)が向いています。

編集部

漢方薬の正しい飲み方を教えてください。

高野さん

漢方薬は基本的に、食前(食事の30分~1時間前)または食間(食事と食事の間、2時間程度)の空腹時に飲みます。細粒・顆粒タイプであれば、水や白湯を口に含みその上に薬を落としていただくと飲みやすくなります。商品の用法・用量に従ってお飲みくださいね。

編集部

わたし車の運転をするんですけど、葛根湯には眠くなる成分は入っていますか?

高野さん

眠くなる成分は入っていないので、安心して飲んでください。

編集部

例えば早く風邪を治したいからといって、飲みすぎるとどうなりますか?

高野さん

漢方も薬なので飲み過ぎはいけません。副作用が出てしまいます。用法用量をきちんとまもってくださいね。

編集部

最後に読者へのメッセージをお願いします。

高野さん

だれでも風邪はひきますが、こじらせないことが大切ですよね。こじらせないために、背中がぞくぞくしてきて「風邪をひいたかな?」と思ったらすぐに、葛根湯を飲んでみてください。そして、体を温めてゆっくり休んでくださいね。