近所の大きな一軒家。旦那さんは「自衛隊」の自衛官として働いているそうです。自衛隊って給料がいいんですか?

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自衛隊は日本を守る国家公務員です。有事の際はもちろん、ゲリラ豪雨をはじめとした災害時にも私たちを助けてくれる頼もしい存在です。自衛隊はその責務の重さから「年収が高いのでは」とのイメージを持つ方も多いでしょう。 この記事では自衛官の給料と、他の職業と比べて待遇面でどのくらい有利なのかを紹介します。

自衛官の給料は?

まずは自衛官の給料を紹介します。防衛省の自衛隊 帯広地方協力本部が公表している、年齢別の全国平均年収(民間給料)と自衛官平均年収は以下の通りです。
表1

年代別 全国平均年収 自衛官平均年収 20代前半 293万2000円 約374万円 20代後半 382万8000円 約428万円 30代前半 434万2000円 約440万円 30代後半 471万2000円 約509万円 40代前半 502万4000円 約599万円 40代後半 522万8000円 約637万円 50代以降 577万4000円 約652万円

※防衛省 自衛隊 帯広地方協力本部「自衛官のお給料について」を基に筆者作成
一般的な企業と同様に、年齢があがるにつれて年収も高くなる傾向があります。
 

一般的な年収は?

次に一般的な企業における年収と比較し、考察します。今回は国税庁が公表している「令和4年分民間給与実態統計調査結果について」に基づいて、一般企業の平均賃金を、男女計458万円、男性563万円、女性314万円としています。一方、自衛官の場合、表1に記載された各年代の年収を基に計算すると、男女計約520万円と推測できます。
自衛隊のほうが一般企業よりも平均年収は高いです。しかし、自衛隊は常に危険との隣り合わせにあるといえるでしょう。幸いにも、現在の日本国内で戦争などは起きていませんが、災害派遣などで国民の命を守る要職に就いているのが自衛隊です。非日常の過酷な環境下で活躍することを求められているため、一般企業より多くの給料をもらえると考えられます。
 

自衛官はさまざまな手当がある

自衛隊員には月給のほかにさまざまな手当が支給されます。手当を加えることにより、年収アップが可能です。自衛隊員の手当には特定の地域に配属される際の手当や特定の任務に就いた際に支給される手当などがあります。ほかにも、寒冷地手当やパイロットに支給される航空手当などさまざまです。
 

生活費

自衛隊員は生活費がかからないことが特徴の一つです。勤務中は駐屯地で暮らすため、生活に必要な光熱費、水道代、家賃がかからないといわれています。民間企業で働く場合にはこれらの支出あるため、自衛隊員と比較すると支出額に差がでてしまうでしょう。
自衛隊員は駐屯地で生活することから、通常かかる支出がほとんどなく、自由に使えるお金を多く残せます。その分、貯金がしやすいことがメリットといえるでしょう。
 

自衛官は民間企業より平均年収は高い

自衛官は民間企業と比較し年収が高い傾向にある点は大きなメリットです。ほかの職業より給与水準が高く、手当によりさらなる収入アップが見込めます。加えて、駐屯地で暮らせば生活費はかかりません。そのため、貯金もしやすいでしょう。
ただし、転勤が多い点はデメリットと思う方もいるでしょう。また、ほかの注意点として挙げられるのが、若年定年制により長く働くことができないという点です。一般の会社はほぼ65歳まで働けるといわれていますが、自衛隊は50代後半で定年を迎えるようです。退職金が支給されたとしても、現状再就職しなければ、65歳の年金支給まで生活を維持することは難しいでしょう。
自衛隊員は一見すると年収が高い印象を受けますが、さまざまな注意点もあるという点についてよく理解しましょう。
 

出典

防衛省 自衛隊 帯広地方協力本部 自衛官のお給料について
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査結果について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー