三島喜美代さん

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 大量消費社会を象徴するゴミをテーマに独創的な立体作品を手がけた現代美術家の三島喜美代(みしま・きみよ)さんが19日、死去した。

 91歳だった。告別式は近親者で済ませた。

 大阪市生まれ。1970年頃から、新聞や雑誌などを陶に転写する技法で、しわくちゃになった新聞紙やちらし、空き缶といったオブジェを制作。社会の情報化や大量消費への批判とユーモアを込めた作品は国内外で評価された。74年にイタリアのファエンツァ国際陶芸展の金賞に選ばれた。

 2005年、香川県・直島に高さ約5メートルのゴミ箱のオブジェを設置。作品は大英博物館や米シカゴ美術館にも収蔵され、21年度に文化庁長官表彰を受けた。東京・練馬区立美術館で個展が開かれていた。