短距離重賞3勝馬ハクサンムーンの姪 ロワンが永島まなみ騎手を背に初陣/関西馬メイクデビュー情報
今週から小倉開催がスタート。開幕週に組まれた番組はすべて距離の短いレース、土曜日と日曜日に九州産限定の芝1200mが1レースずつという、小倉開催が4週しかないことでかなりタイトな番組編成になっている。
そんなこともあって、例年、小倉開催の最終週に行われる小倉2歳Sは今年に限って、9月1日の中京芝1200mに移行している。ただ、九州産馬にとっては開幕週に新馬勝ちして、7月20日の九州産限定、ひまわり賞(小倉芝1200m)を勝てば、小倉2歳Sに向けてのローテーションはちょうどいい感じになっている。
【6月29日(土) 小倉芝1200m(九)】
・コウユーモジョカー(牝、父ケイムホーム、母アイディンビュー、栗東・斉藤崇史厩舎)
母系にダートで5勝を挙げたプレスティージオ(父カジノドライヴ)。父ケイムホームの代表産駒といえば、2019年フェブラリーSを制したインティなどがいる。
本馬は5月23日にゲート試験を合格。翌週に坂路で新馬戦2着だったアメリカンビキニと併せて先着、4F52.8秒と速い時計をマークした。6月5日の坂路では4F51.3秒をマーク、ラストが13.6秒と時計を要したものの、スピードのあるところを見せている。1週前追い切りとなる6月19日の坂路では終い重点で1F12.3秒。追い切るたびに動きの質が上がっている印象を受ける。
【6月29日(土) 小倉ダート1000m】
・ロワン(牝、父シニスターミニスター、母ベイビーイッツユー、栗東・高柳大輔厩舎)
おじに2013年セントウルSなど短距離重賞で3勝を挙げたハクサンムーン(父アドマイヤムーン)、先日の函館SSで重賞初制覇を果たしたサトノレーヴ(父ロードカナロア)がいる血統。
本馬は6月7日にゲート試験を合格。その翌週にレースでも騎乗予定の永島まなみ騎手を乗せて、初めてCWで追い切りを行ったが、新馬2頭を追走する3頭併せで楽々先着。6F84.1秒と全体時計もまずまずという内容だった。1週前追い切りは2頭併せだったが、これまた先着。3F37.7秒をマークして、追ってからの伸びが目立っていた。「2週続けて、いい動きを見せてくれましたね。ゲートはそれほど速くありませんが、追ってからの動きがいいですね」と高柳大輔調教師。
【6月30日(日) 函館芝1800m】
・セイフウサツキ(牡、父サトノクラウン、母モンローライン、栗東・松永幹夫厩舎)
2023年セレクトセール1歳にて、3700万円で落札されたサトノクラウン産駒。母系には2010年白山大賞典を勝ったパワーストラグル(父シンボリクリスエス)がいる血統。
本馬は5月22日に栗東でゲート試験を合格。そのまま在厩して、追い切りを消化した後、函館競馬場へ移動。無事に輸送をクリアして、現地で追い切りをこなしている。「ここまで順調に来ましたね。函館Wでの追い切りもいい動きを見せているとスタッフから報告を受けています。最終追い切りは武豊騎手(レースでも騎乗予定)に跨ってもらう予定です」と松永幹夫調教師。
【6月30日(日) 小倉芝1200m】
・ユメシバイ(牝、父ディスクリートキャット、母ファートゥア、栗東・松永幹夫厩舎)
おじに2022年皐月賞を制したジオグリフ(父ドレフォン)がいて、母系には2020年エンプレス杯などダート交流重賞を3勝しているアンデスクイーン(父タートルボウル)。その仔が先日の関東オークスを制したアンデスビエント(父ドレフォン)ということになる。
本馬は6月に入ってから栗東で本格的な追い切りを開始。坂路ではあまり速い時計を出していなかったが、6月12日にCWで6F83.1秒をマーク。1週前追い切りとなる6月19日は同じくCWで6F83秒台だったが、ラスト1Fが11.6秒と終いの動きがしっかりしてきた。「前向きな気性をしていて、初戦向きというタイプですね」と松永幹夫調教師。鞍上は永島まなみ騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)