市場急拡大中の「スキマバイト」を実際に体験!

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市場急拡大中の「スキマバイト」を実際に体験!
履歴書・面接ナシで、空いた時間に働ける「スキマバイト」の市場が急拡大している。若年層が多いように感じるが、『メルカリ ハロ』の調査によると、20代の利用者は30%程度にとどまり、30代が約24%、40代が20%、50代以上が18%と、幅広い年代に支持されている。そこで今回は、20代女性ライターがスキマバイトアプリ『タイミー』『メルカリ ハロ』に登録し、バイトを体験してみた! 【実際にやってわかったスキマバイトのリアル 第1回《ラクそうな案件編》】

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■募集要項と実態が全然違う!

短い時間で稼げるだけではなく、仕事がラクな"お宝案件"があるのもスキマバイトの魅力。まずは『タイミー』で見つけた、1時間完結・報酬1200円のインタビューを受けるバイトに応募してみた。

募集要項によれば、「旅行しながら仕事をしたいと思っている20代」が対象。応募資格は(1)旅行が好きな人、(2)毎年海外旅行に行きたいと思っている人、(3)留学経験のある人、(4)タイミーを使って働いた経験がない人、のどれかを満たしていればOKらしい。

平日の昼下がり、雑居ビルの1階にある会場を訪れた。ソファふたつ、丸テーブルふたつとさっぱりとした空間で、壁にはスケジュールの資料が張られており、企業の営業部のような雰囲気。

名前・職歴・将来の展望などをアンケートに記入した後、20代の女性が向かいに座り、面接のような雰囲気でインタビューが始まった。

最初に尋ねられたのは、今の仕事への不安だ。特になかったのだが、絞り出してそれとなく回答。するといきなり、女性は会社説明を始めたではないか。どうやら彼女が所属しているのはグローバル展開を行なう外資系企業らしく、入社することで将来的に起業するための営業力を鍛えられるんだとか。......ん、どういうこと!?

疑問をよそに、女性の話は続く。もはやインタビューではなく、相手が一方的にしゃべり倒すプレゼン状態だ。興味はないので聞き流していたら、40分ほどで終了。早めに終わったがきちんと1時間働いた分の報酬が振り込まれた。

肝心な事業内容の説明をしてくれなかったので調べてみると、口コミにはWi−Fi乗り換えの飛び込み営業をする会社とある。かなりうさんくさい。

あくまで推測だが、この会社は若手社員向けの営業の練習としてバイトを利用したのだろう。事前の説明と全然違ったが、ラクに稼げるバイトではあった。

あまりに面食らったので、もうひとつトライしてみた。お次は『メルカリ ハロ』で見つけた覆面調査だ。

こちらも1時間完結で、報酬は1250円。募集要項には「20〜30代女性に人気のお店を訪れ、1時間程度滞在し、感想を送る仕事」とある。「オシャレなレストランに行けたらラッキー!」と期待が高まる。

応募するとLINEに誘導され、そこで詳しい仕事内容や希望日程を決定し、後日、電話で説明を受けることに。ところが電話での説明はなぜか「転職エージェントの覆面調査」という別内容にすり替わっていた。

不審に思って指摘すると、「提示してくれた日は当初の案件がなかったので、別のものを案内した」とのこと。しかも話を聞くと、当初の「女性に人気のお店」というのはどうやら結婚相談所のことらしい。なんだそれ! 釈然としないが、日時を再調整してもらうことに。

担当者からは、(1)開始5分前までに着き、外観写真を送ること、(2)覆面調査だと悟られないこと、(3)終了後に200字以上のレポートを送ることが条件と説明された。チェックすべきポイントなどの指示は一切なく、あくまで相談を受けた感想を書くだけでいいらしい。

その後の流れは実にスムーズ。目的地に到着し、アドバイザーに相談をする。担当者からは「目標の結婚年齢から逆算しましょう」と言われ、最後には手書きのスケジュールメモを渡された。当初の予定より30分ほど時間は延びたが、LINEで報告するとすぐに勤務時間の修正と給与の割り増しをしてくれ、無事に1875円が振り込まれた。

ここまで大ざっぱな調査報告でいいのには驚いたが、感想を少ない文字数でまとめるだけなのでラクだった。募集要項とは違う業務ばかりだったけど、案外悪くないかも?

取材・文/逢ヶ瀬十吾、文月(A4studio) イラスト/服部元信