12年の宝塚記念を制したオルフェーヴル(12年6月撮影、ユーザー提供:モエロウエクラさん)

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 宝塚記念(3歳上・GI・芝2200m)は有馬記念と並び、ファン投票が実施されるレースだ。近年は有名無実化しつつあるが、一方で21年のクロノジェネシス、22年のタイトルホルダー、そして昨年のイクイノックスと、最多得票を集めた馬が3連覇中でもある。そこで今回はファン投票で1位となり、レースでも勝利を収めた馬を3頭紹介したい。

 1頭目は97年のマーベラスサンデーだ。武豊騎手とのコンビで知られるサンデーサイレンスの初年度産駒。故障で出世が遅れたが、4歳春から重賞4つを含む6連勝で、一気にGI戦線に駆け上がってきた。大舞台ではサクラローレルやマヤノトップガン、バブルガムフェローといったライバルに屈し続けたが、97年の宝塚記念で歓喜の瞬間を迎えた。後方から脚を伸ばすと、ゴール前で先に抜け出したバブルガムフェローをクビ差捕らえ、ファン投票1位、そして1番人気に応えてのGI初制覇を果たした。

 2頭目は12年のオルフェーヴルだ。言わずと知れた前年の3冠馬。2走前の阪神大賞典で逸走して平地調教再審査の処分を受け、前走の天皇賞(春)では11着に大敗。秋のフランス遠征に向けて、何が何でも結果が求められる一戦だったが、強敵を向こうに回して力強く差し切り。阪神競馬場は祝福の拍手に包まれた。

 そして3頭目は14年のゴールドシップである。前年の覇者として、初めてファン投票1位の支持を受けて出走。ウインバリアシオン、ジェンティルドンナとの3強ムードだったが、終わってみれば「白い怪物」の独壇場だった。4~5番手追走から直線で抜け出し、2着のカレンミロティックに3馬身差の圧勝。連覇で5つ目のGIタイトルを獲得した。ちなみに翌15年はスタートでのアクシデントが堪えて14着に大敗。宝塚記念において、ファン投票1位で2桁着順に敗れた馬は、後にも先にもゴールドシップだけである。