AppleはWWDC24でiOS 18・iPadOS 18・macOS Sequoia・watchOS 11などの最新OSと、iPhone・iPad・Macで使えるパーソナルAIのApple Intelligenceを発表しました。AppleがWWDC24で発表した最新OSや新機能の中には既存アプリの模倣も多く存在しているとして、海外メディアが「Appleがパクったアプリ」をまとめています。

The apps that Apple sherlocked at WWDC 2024 | TechCrunch

https://techcrunch.com/2024/06/12/the-apps-that-apple-sherlocked-at-wwdc/

Here are the apps Sherlocked by Apple during WWDC 2024 - 9to5Mac

https://9to5mac.com/2024/06/12/here-are-the-apps-sherlocked-by-apple-during-wwdc-2024/

Apps Apple Sherlocked with iOS 18 and macOS Sequoia

https://appleinsider.com/articles/24/06/11/sherlocked-by-sequoia-what-apps-apple-may-have-killed-in-macos-and-ios-18

Apple Sherlocked another beloved Mac app in macOS Sequoia | Digital Trends

https://www.digitaltrends.com/computing/apple-macos-sequoia-window-tiling-sherlocked/

◆新しいパスワードアプリ(パクられたアプリ:1Password、LastPass、BitWarden、Proton Pass)



AppleはMac・iPad・iPhone・Apple Vision Proのほか、WindowsでもiCloud for Windowsアプリ経由で利用できるパスワード管理アプリの「パスワード」をリリースしました。「パスワード」の情報はデバイス間で自動的に同期され、ひとつのデバイスで新しい情報を登録すると、他のデバイスでもその情報が「パスワード」に追加されることとなります。

AppleはこれまでもiOSの設定アプリ内にパスワード管理機能を実装したりmacOSにパスワード管理アプリ「キーチェーンアクセス」を搭載したりしてきましたが、Appleはこれを単体のアプリとして新しくリリースする予定です。

この「パスワード」アプリは基本的にサードパーティーのパスワード管理アプリと同じように機能します。Appleのパスワードアプリの場合、システム組み込みのパスワード管理機能の進化系であるため、この機能を利用してきたユーザーはそのまま移行することになるのではとTechCrunchは指摘。

一方で、サードパーティーのパスワード管理アプリはAndroidやWindows、Linuxに対応していたり、住所やクレジットカード情報なども保存することができたりするため、まだまだAppleのパスワードアプリとの開きがあるとも指摘されています。

◆通話録音機能および文字起こし機能(パクられたアプリ:TapeACall、Truecaller)



Appleは電話アプリに通話録音機能と文字起こし機能を実装しました。TapeACallやTurecallerといったアプリは、以前から通話録音機能を提供していましたが、これを有効にするには別の番号に電話をかける必要があります。これはAppleがサードパーティー企業に通話スタックへのアクセスを許可しなかったためです。

◆音声文字起こし機能(パクられたアプリ:Otter、AudioPen、Voicenotes.com)

電話アプリだけでなく、メモなどのアプリでもAppleは音声文字起こし機能を提供する予定です。これはOtter、AudioPen、Voicenotes.comなどのアプリを模倣した機能であるとTechCrunchは指摘。

それでもサードパーティーの文字起こしアプリはさまざまな機能を備えており、例えばOtterは会議やビデオ通話の文字起こしに最適で、AudioPenやVoicenotes.comはAIによる要約や書式設定機能を有しています。

◆MacでiPhoneをミラーリング(パクられたアプリ:Bezel)



macOS SequoiaではiPhoneの画面をMacにミラーリングすることができる「iPhoneミラーリング」が登場予定で、MacにiPhoneを無線接続し、1回クリックするだけでMacからiPhoneの画面にアクセスできるようになります。iPhoneミラーリングを使えばユーザーはMacでiPhoneの通知を受け取ったり、写真や動画を簡単にドラッグアンドドロップでデバイス間で移動させたりすることが可能です。

同様の機能を提供しているサードパーティーアプリがBezelで、同アプリではiPhoneのミラーリングにケーブルが必要です。なお、Bezelの開発者であるMathijs Kadijk氏は「AppleはiPhoneをMacにミラーリングするiPhoneミラーリングを発表しました。iPhoneの操作も可能です。素晴らしい機能ですが、私のアプリであるBezelも全く同じことができます」「Appleがこの分野に参入したことについてどう感じるべきかはわかりませんが、それはゲームの一部であり、ハードルを上げるものであり、私を興奮させると同時に悲しくもさせます」と述べ、今後もBezelの開発を続けるのか、それとも全く別のアプリ開発にシフトするのか、ベータ版のmacOS Sequoiaを使用して検討する予定であると説明しました。





◆Macでのウィンドウのタイル表示(パクられたアプリ:Magnet、Rectangle)



macOS Sequoiaではデスクトップ上のウィンドウの配置をタイルで自動的に提案してくれる機能が搭載されます。同様の機能はWindowsやLinuxでは何年も前から存在したため、多くのユーザーにとっては全く画期的な機能というわけではありません。しかし、Macで同様のことを実現するにはMagnetやRectangleなどのサードパーティーアプリを使用する必要がありました。

なお、サードパーティーアプリではウィンドウのさまざまなサイズオプション、ひとつのショートカットでワークスペースを再配置する機能、画面の端にあるウィンドウを非表示にする機能、アプリを横に固定する機能など、より優れたカスタマイズ機能が存在するため、サードパーティーアプリはユーザーを維持できる可能性があります。

◆Genmoji(パクられたアプリ:Newji)



Appleは画像生成技術を使用して自由に絵文字を生成できる「Genmoji」という機能を提供します。同様の機能を提供しているのがNewjiです。





◆カスタムマップ(パクられたアプリ:Alltrails)



Apple純正のマップアプリは、 iPhoneにオフラインで保存したり、音声案内やハイキングのルートを作成したりすることが可能となります。同様の機能をリリースしていたサードパーティーアプリがAllTrailsです。なお、AllTrailsにはすでにコミュニティが形成されており、複数のハイキングルートが提供されているという強みがあります。

◆テキストの書き直し・校正・要約機能(パクられたアプリ:Grammarly)



Appleは記述ツールでの文章の書き直しや校正・要約機能を新しく提供します。これと同様の機能を提供しているサードパーティーアプリがGrammarlyです。Appleの同機能は無料で提供されますが、Grammarlyは実質無料ではなく、まともに利用するには金銭が必要となります。

◆電卓(パクられたアプリ:PCalc、Soulver)



AppleはiPad向けについに電卓アプリをリリースします。iPad版電卓アプリでは履歴や単位変換、計算メモなどの新機能が追加されており、中でも計算メモは手書きの計算式の答えを導いてくれるというもの。

一方で、サードパーティーの電卓アプリでも方程式を利用して計算を行うことが可能です。

なお、TechCrunchは「AppleはGoogleやMicrosoftとの競争に遅れずについていく必要がありますが、同時にApp Storeから収益を得続けるために、サードパーティーアプリを完全に駆逐するような機能を追加しないよう気を付ける必要があります」と指摘しました。