新作に登場するプレミアデカレッド
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 特撮ドラマ「特捜戦隊デカレンジャー」(2004〜2005)で、主人公・赤座伴番が変身するデカレッドのスーツアクターを担当した福沢博文。20周年を記念した新作Vシネクスト『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』では、アクション監督と兼任する形で再びデカレッドを演じた。現在放送中の「仮面ライダーガッチャード」にも携わる福沢がリモートインタビューに応じ、デカレッド再演の裏側や、20周年を迎えた「デカレンジャー」への思いを語った。

 福沢は、スーパー戦隊シリーズの歴代レッドを数多く担当し、「特命戦隊ゴーバスターズ」以降はアクション監督として東映特撮を支えてきた。「デカレンジャー」はテレビシリーズのほか、10周年を記念して制作されたVシネマ『特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER』(2015)にもデカレッドのスーツアクターとして参加している。

 もともと20周年新作には、アクション監督で参加が決まっていた福沢。担当するレギュラー作品がひと段落した時期と、本作の製作がちょうど重なっていたといい、「スーツアクターをどうしましょうか? という話になった中で、せっかくなら当時のメンバーをできるだけ集めて、またみんなでやりたいという話になりました」とスーツアクター兼任の経緯を明かす。

 現在54歳の福沢は、デカレッドのスーツアクターとしては「もうこれが最後かな」と正直な心境を告白。「突然動いたりすると、怪我しそうになるんです。テクニック的には大丈夫ですが、筋肉がもたない。一気に走ったりするとアキレス腱も危ないですし、絶えずケアをして動ける体にしておかないと、スーツアクターは甘いものではないと思い知りました」。福沢にとって思い入れのある作品だからこそ、もう一度デカレッドとして「頑張りたい」という強い気持ちが芽生えた。

 デカレッドといえば、二挺拳銃「ディーマグナム」を駆使した戦術「ジュウクンドー」が特徴的だ。ジュウクンドーは、2002年公開のSFアクション映画『リベリオン』に登場した架空の戦闘術「ガン=カタ」がモチーフになったという。「塚田英明チーフプロデューサーから、銃を用いてゼロ距離での体術も交えたガン=カタを使った感じでいきたいとお話がありました」

 20周年新作では、アクション監督としても手腕を存分に発揮している。「ワンカットだけでも、お客さまにキャッチーだと思わせるカットを、どこに持ってくればいいのか。また、どういう形でそれを入れるのか。試行錯誤しながら演出しました。懐かしさというよりかは、主題歌がかかる中で始まるアクションにこだわりました。当時『デカレンジャー』を観ていた人なら、『おぉっ!』て思っていただける内容になっていると思います」

 デカレッドに変身する“バン”こと赤座伴番役を務めるさいねい龍二については、「相変わらずいい男です。昔より、いい感じの大人の色気が出ていました」と感慨深げに語る。さらに、新作ではバンの後輩にあたる新人宇宙刑事・江戸川塁/プレミアデカレッドも登場。6人組アーティスト・7ORDERの長妻怜央がクールな塁を好演しており、福沢も「すごくいい子」とその才能を絶賛する。

 「新キャストとして地球署に加わることに物怖じせず、自分からフレンドリーに話しかけてきてくれるんです。器用で純粋だし、みんなに好かれる素晴らしい子。個人的には、バンよりもテツ(姶良鉄幹/デカブレイク)に似ている気がして、テツがテレビシリーズに6人目として加入した時を思い出しました」

 20年経っても色褪せぬ「デカレンジャー」の魅力は、キャラクターにあると福沢は力説する。「バン、ホージー、ジャスミン、センちゃん、ウメコ、テツの6人の関係性や世界観、彼らがどのように行動するのかを見ることが楽しい。これ1択です! 各事件を6人がどうやって解決するのか、バディ作品らしく、いろんなメンバーの組み合わせがあったり、純粋に6人を見たいって思える。20周年作品も、そういったところを存分に楽しんでいただけると思います」

 20周年新作は「デカレンジャー純度100%」と続けた福沢。これが最後になる気持ちで臨んだが、さらなる続編が実現する可能性は「全然あると思います」と前向きで、「デカレンジャーが解決する事件は、決してなくなるわけではありません。大人の事情も絡んできますが、当時のメンバー次第です。20周年でまた集まって一つの作品が完成したのは、それ自体が特別なこと。チャンスがあれば、またみんなで揃って何かできれば嬉しいです」と期待を寄せていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

Vシネクスト『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』は6月7日(金)より期間限定上映/Blu-ray&DVDは11月13日(水)発売