こちらはアメリカの民間企業Stratolaunch(ストラトローンチ)が開発した空中発射母機「Roc(ロック)」です。翼幅は世界最大の約117mで、ジャンボジェットの愛称で知られる「Boeing 747」のエンジンを6機搭載しています。


【▲ 翼幅約117mの空中発射母機「ロック」。中央翼の下部には超音速航空機「タロンA」の試験機が搭載されている(Credit:Stratolaunch )】

ロケットや航空機などの空中発射を目的に開発されたロックは約250tのペイロードを中央翼の下部に搭載することが可能です。初飛行は2019年4月13日で、2024年5月の時点で合計14回の飛行を実施しています。直近の飛行は2024年3月9日で、ストラトローンチが開発中の再利用可能な超音速航空機「Talon-A(タロンA)」最初の機体「TA-1」による動力飛行試験が行われました。


【▲ 超音速航空機「タロンA」(Credit:Stratolaunch )】

タロンAはロックに吊り下げられた状態で空中まで運ばれ、投下されてからエンジンを点火します。今回飛行したTA-1はエンジン点火、加速、上昇に成功。制御着水を実施したため、機体は回収されませんでした。海外メディアのSpaceNewsによると、ロックは離陸から約4時間後に母港のモハーヴェ空港(アメリカ・カリフォルニア州)に着陸したということです。


【▲ ロックから切り離されたタロンA(Credit:Stratolaunch )】

ストラトローンチによると、今回の飛行試験データは2024年後半に予定されている2機目にして再利用可能なタロンA「TA-2」の飛行試験に向けて評価が行われ、同時に3機目の「TA-3」の製造にも着手しているということです。


 


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文/出口隼詩 編集/sorae編集部