緑茶の表面が泡立つ理由は?

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 立春から数えて88日目の日は「八十八夜」と呼ばれており、今年は5月1日が八十八夜です。八十八夜の日に摘んだお茶は縁起が良いとされており、この日は地域によってはお茶摘みの体験イベントなどが行われます。また、茶業や茶文化に関する振興事業を行う、公益社団法人日本茶業中央会(東京都港区)は、八十八夜の日を「緑茶の日」と制定しています。

 ところで、ペットボトルの緑茶飲料を開封後、表面が泡立つことがあり、特にバッグに入れて持ち運ぶときに泡が生じやすいようです。緑茶飲料が泡立ちやすいのは、なぜなのでしょうか。表面が泡立った場合、そのまま飲んでも問題はないのでしょうか。サントリー食品インターナショナル(東京都港区)の担当者に聞きました。

緑茶に含まれる「サポニン」「ペクチン」が作用

 まず、表面が泡立った緑茶を飲んでもよいのかを聞くと、同社の担当者は「お茶の表面が泡立っても品質自体に問題はないため、安心してお召し上がりください」と、安全性に問題がない点を強調しました。

 また、ペットボトルの緑茶飲料の表面が泡立つ要因として、「お茶の葉に含まれる『サポニン』『ペクチン』という2つの成分のほか、液体の表面積を小さくしようとする力である『表面張力』が大きく関係しています」と、3つのポイントを挙げました。

 緑茶の表面が泡立つメカニズムについて聞くと、担当者は「緑茶の容器に振動が与えられたときに、サポニンが液体に溶けることで、表面に泡が作られます」と説明。

 その上で「水は表面張力が強いので、泡ができても中心に向かって小さくまとまろうとするため、すぐに消えてしまいます。一方、緑茶の場合はペクチンの働きで表面張力が弱められるため、表面にできた泡は長時間維持されます」と教えてくれました。

 なお、サポニンは、ウーロン茶やほうじ茶など、他のお茶飲料にも含まれているということです。