KDDIおよびKDDIエンジニアリングが基地局の非常用電源に亜鉛二次電池活用実証!写真は単電池とモジュール電池

KDDIとKDDIエンジニアリングは11日、日本ガイシで開発中の亜鉛二次電池を携帯電話ネットワークにおける基地局のバックアップ電源設備に用いる実証試験を2024年4月から開始したと発表しています。これにより、亜鉛二次電池は多くの基地局で用いている鉛蓄電池と比較して約50%軽量なため設置できる場所が増やせるとともに同じ大きさで2倍の容量があるため、基地局の稼働時間を長時間化して最長72時間まで伸ばすことが可能になるとのこと。

実証では全体で1000Ah(100万mAh)の亜鉛二次電池を用い、亜鉛二次電池の収容箱を基地局に接続して行い、亜鉛二次電池をバックアップ電源設備に用いた基地局を実環境で1年間運用して四季の温湿度環境の変化を通じた動作確認のほか、停電試験などを行う予定だとしています。

なお、KDDIは実証試験場所の提供など、KDDIエンジニアリングは亜鉛二次電池の基地局接続に関わる技術支援など、日本ガイシは亜鉛二次電池の開発・提供、電池設置工事、実証試験の運営などを担当し、KDDIとKDDIエンジニアリングはこの実証を通じて亜鉛二次電池の実用性を検証して災害時にもつながる安心を広いエリアで提供できるように信頼性の高い社会通信インフラの確立に貢献していくとしています。


亜鉛二次電池の収容箱

基地局では災害時などの長時間停電対策として大容量のバックアップ電源設備の設置や増設が急務になっており、バックアップ電源設備は災害時などの長時間停電対策として効果的な一方、建物の耐荷重制限で設置・増設できないことが課題となっています。

そうした中で今回、鉛蓄電池と比較して約50%軽量かつ同じ大きさで2倍の容量の亜鉛二次電池を用いることで軽量なので設置できる場所が増え、同じサイズでも長時間の基地局稼働が可能になるため、災害時の通信維持への貢献が期待できます。また有害な鉛を含まないこと、発熱のリスクがないことから設置工事を簡易化することができ、5Gエリア化加速への寄与も期待されるということです。


亜鉛二次電池(全体で1000Ah)


記事執筆:memn0ck


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