2023年下半期「インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種」発表 1位の業種「1社あたり5.71件」のクレーム数
AI与信管理サービスを提供するアラームボックス(東京都新宿区)が、2023年下半期の「インターネット上で悪評・クレームが多い上位10業種」をランキング形式で発表しました。
2位は「需要が急速に回復している」業種
調査期間は2023年7月1日から同年12月31日。対象企業は、同社でモニタリングしており業種登録がされていた1万1212社。インターネット上に投稿された口コミのうち、同社が「悪評・クレーム」と分類したものを集計しています。
スマートフォンやSNSが普及し、情報収集・発信を誰でも手軽に行えるようになった現在ですが、消費者庁が発表した「消費者意識基本調査(2022年)」によると、SNSを情報収集目的で活用している人が84.1%と最多で、多くの人がSNSから情報を得ていることが分かりました。これを受け、同社は「企業はSNSやインターネット上にある悪評やクレームなどの書き込みが事業に悪影響を与えないよう、適切なレピュテーションマネジメント(評判管理)を行い、社会からの評判を維持・向上させる必要がある」と、今回の調査背景についてコメントしています。
調査結果によると、「インターネット上で悪評・クレームが多い業種」の1位は「無店舗小売業」(EC・小売業界)。2023年上半期に引き続き、1位となりました。対象企業293社に対し、悪評・クレーム数は1672件。1社あたりの平均悪評・クレーム数は5.71件でした。
クレームの内容としては、購入した商品の不具合や、購入前の印象との違いに関する不満、配送トラブルに関するものが多い傾向がみられたということです。また今回の調査が、贈答品の需要が高まる年末にかけて実施されたこともあり、同社は「商品の到着日や梱包に対する不満が多くなり、その結果、前回の調査より1社あたりのクレーム数が増加する傾向にあった」と分析。昨今は小売業を営む多くの企業が通販事業を展開していることから、店舗だけでなくネット上でも顧客との接点が増えたためか、多くの小売業が上位にランクイン結果となっています
書き込まれた内容のうち、最頻出単語は「商品」で、1100回以上使われていたとのことです。その他は「購入」「発送」「残念」「対応」といった単語が続き、購入した商品へのクレームや、購入後の発送や連絡に関する対応について言及が頻出しています。
2位はコロナ禍が収束し、需要が急速に回復している「宿泊業」(宿泊業界)。2023年上半期の10位から大きくランクアップする結果となりました。対象企業136社に対し、悪評・クレーム数は551件。1社あたりの平均悪評・クレーム数は4.05件でした。
調査によると、部屋の状態に関するクレームが最も多く、アメニティーの不足や部屋の狭さ、臭いなどに不満が発生していたとのこと。また、お風呂や食事に関する言及や、スタッフやフロントの対応についての投稿が多い傾向にあり、特にスタッフやフロントの対応については「忙しそうで話を聞いてもらえない」「スタッフが見るからに慌ただしくしており、待ち時間が長い」といった不満とともに、人員不足を懸念する投稿も多くなっており、急速な需要の高まりに顧客からも心配する声が多く上がっていたということです。
最も頻出した単語は「部屋」で、宿泊業のクレームの約半数が部屋について言及されていたことが明らかに。他には「風呂」「朝食」「フロント」といった単語が頻出しており、設備に関するクレームが一番多く、その他には食事や接客に関してのクレームが多い結果となっています。