「葉酸」はどんな栄養素? 含有量が多い食べ物は? 管理栄養士が教える摂取のメリット
「葉酸」という栄養素を聞いたことはありませんか。葉酸には、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減する効果があるといわれており、妊婦が摂取を推奨される栄養素の一つです。
そもそも、葉酸とはどのような栄養素なのでしょうか。どのような食べ物に多く含まれているのでしょうか。葉酸を摂取するメリットについて、管理栄養士の桜井このさんに教えていただきました。
男性やシニア世代の人にもお勧めの栄養素
Q.そもそも、「葉酸」とはどのような栄養素なのでしょうか。
桜井さん「葉酸はビタミンB群に属する水溶性ビタミンの一種です。その名前の通り、植物の葉っぱに多く含まれているもので、光や熱に弱い特性を持っています。ビタミンB12とともに赤血球を生成する作用があるため、『造血のビタミン』と呼ばれることもあります。
一般的に葉酸というと『妊婦さんが積極的に摂取するもの』と思われがちですが、実は妊婦さんだけではなく男性やシニア世代の人など、性別や世代を問わず、すべての人に積極的に摂取していただきたい栄養素です」
Q.葉酸を多く含む食べ物について、教えてください。
桜井さん「葉酸の含有量が特に多いのは、海草類や緑色の野菜です。例えば、ノリやワカメ、ホウレンソウ、ブロッコリー、枝豆、アスパラガス、春菊などに多く含まれています。また、動物性の食べ物だとレバーに多く含まれており、特に含有量が多いのは鶏のレバーです」
Q.葉酸を摂取するメリット、デメリットについて、それぞれ教えてください。
桜井さん「先述のように、葉酸には赤血球を作る効果があるため、摂取することで貧血を起こしにくくなります。また、DNAなどのタンパク質の生成を助け、体内に数百種類もある細胞の生成や再生を助ける働きがあります。これによって、動脈硬化をはじめとした心疾患のリスクを軽減させる効果などが報告されています。
反対に、過剰摂取などによるデメリット・健康被害などの例はないと思います。1日1000マイクログラム以上の葉酸を摂取すると貧血を起こす可能性があるといわれていますが、一般的な食生活でそれほどまでに葉酸を摂取することはまずないと言ってよいでしょう」
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葉酸は老若男女問わず、積極的に摂取したい栄養素なのだそうです。特に野菜嫌いの人にとって不足しがちな栄養素とのことで、ぜひ食生活を見直してみてはいかがでしょうか。